健大高崎vs山梨学院
健大高崎が初優勝!”機動破壊”から進化し小技
を使った攻撃で秋の関東を制す!
歓喜
の瞬間
に抱擁する健大高崎ナイン
ついに秋の関東王者が決定した。超積極走塁で相手を翻弄する、”機動破壊”で一世を風靡した健大高崎。今年は”小技”でかき乱すスタイルをものにして、秋季関東大会初優勝を飾った。
10月27日(日)、上毛新聞敷島球場で行なわれた、山梨1位の山梨学院と、開催地群馬3位として出場した健大高崎との決勝戦。関東王者を決める決勝戦にふさわしく、引き締まった展開で試合はスタートする。
山梨学院は前日の準決勝で8回136球を投げた、エース・吉川大がこの決勝も先発のマウンドに登った。一方、健大高崎は前日、優勝候補・東海大相模に投げ勝ったエース・下慎之介ではなく、背番号11の橋本拳汰が先発のマウンドへ。
また、山梨学院は前日4安打4打点の外川温大を6番から2番に昇格し、オーダーを組み替え決勝戦に挑む。
序盤は両先発の好投でテンポよくスコアボードに0を並べていく。健大高崎・橋本拳汰は身長191センチの長身から投げ下す、130キロ後半の直球を軸に、山梨学院打線を一切寄せ付けない。山梨学院・吉川大も連投の疲れからか、やや投球のキレは感じられなかったが、120キロ台の直球と90キロ台のカーブで緩急をつけ、粘りの投球をみせる。
橋本拳汰(健大高崎)
この均衡を破ったのは健大高崎だった。4回裏、この回の攻撃が”新生”健大高崎を象徴するシーンとなった。
先頭の2番・戸澤昴平が四球で出塁し、3番・小澤周平も右前安打で続いた。ここで健大高崎は、4番の安齋駿斗に送りバントを成功させ、一死二・三塁の好機を作る。5番・山本遼哉の右前適時打で先制すると、続く6番・橋本脩生が初球にスクイズを決め、2点目。小技を軸に想定された攻撃プランが見事決まり、先制点をもぎ取った。
6回にも、中前安打で出塁した4番・安齋に代走・木川玲を送り、5番・山本も左前で繋いだ。一死一・二塁で6番・橋本脩生の打球は中前へ。二塁走者・木川が快足を飛ばし一気に本塁へ生還し3点目が入った。少ない好機を確実にものにする健大高崎の攻撃は”機動破壊”よりさらに磨きがかかっているように思えた。
投げては健大高崎・橋本拳汰が快投を続け、9回もマウンドへ。先頭二人を打ち取り、難なくツーアウトを奪うも、山梨学院3番・橘田陸斗に中前安打を許す。しかし、落ち着いていた健大高崎バッテリー。次の打者を一ゴロで打ち取り、歓喜の瞬間が訪れた。
洗練された攻撃スタイルで初優勝を勝ち取った健大高崎。このタイトルは、常に前進し続ける健大高崎野球の努力が報われる瞬間であったに違いない。
一方、敗れた山梨学院は本日2番に起用された外川を含め、6安打出るも散在してしまい、健大高崎・橋本拳汰を前に好機を作ることができなかった。エース・吉川も連投の影響を感じざるをえない、苦しい投球内容で悔しさが残る決勝のマウンドであった。
また、この秋季関東大会を通じ、計算できる投手を二枚以上持つことは、明らかに余裕と脅威を生んだ。投球制限の議論が活発化している中で、現在の高校野球は選手層の厚さはどうしてもアドバンテージになりそうだ。
(文・=編集部)
■日程詳細・応援メッセージ
第72回 秋季関東地区高等学校野球大会
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