試合レポート

西武台vs青藍泰斗

2019.10.21

組織力で勝負する西武台、ポテンシャルの高さで勝負する青藍泰斗の一戦は西武台が制する!

西武台vs青藍泰斗 | 高校野球ドットコム
伊澤走(西武台)

【熱戦の模様をギャラリーでチェック!】

 関東大会に出場しているチームはどのチームもチームとしての完成度が高い。西武台青藍泰斗の一戦はそう感じさせる一戦だった。

 西武台はシートノックから違った。特に内野手の動きは洗練されており、スピード感、持ち替えの速さなど守備力が高い選手が多い。特に遊撃手の横江諒の守備力の高さは一級品。この世代を代表する遊撃手と比較してもそん色ないレベルにある。打撃がレベルアップすれば、かなり高いステージでプレーできるぐらいのものはある。

 また青藍泰斗も肩が強い選手が多く、ポテンシャルの高さを感じる。

 3番石川 慧亮、4番猪瀬 賢信、5番佐々木 康と全国レベルの打者を揃え、タレント力の高さが魅力の青藍泰斗はに対し、西武台は組織力で圧倒した。

 2回裏に3点の先行を許した西武台だが、3回表、4番松木 光(2年)の中前適時打、4回表には9番庄司 元汰(2年)の適時打、5回表には二死二、三塁から5番山田隼の2点適時打で4対3と逆転に成功する。

その後も15安打9得点を入れ、青藍泰斗は終盤に粘ったが、西武台が9対6で青藍泰斗を破り、準々決勝進出を決めた。

 西武台は野手のレベルが非常に高い。3安打の松木光は前捌きでボールを捉えることができる選手でどのコースに対しても綺麗にバットが出ている。軽快な三塁守備も魅力で、今後も注目したい選手だ。

 また県大会から攻守の要として活躍を見せた正捕手・伊澤 走(2年)はクレバーさが光る好捕手だ。内野手、外野手にそれぞれポジショニングの指示を出すが、その指示が的確。

 リードでは技巧派左腕の増田 優真に対し、カーブやインコースを使いながら、打たせてとった。駆け引きが優れた捕手で、1人1人の打者に対して、伊澤はどうリードをするのか。思わず観察してみたくなる選手だ。また打撃も左打席から広角に打ち分ける打撃を得意とする。持っているものは非常に高い選手だ。

 敗れた青藍泰斗は3番石川 慧亮、4番猪瀬 賢信、5番佐々木 康の3人は非常にレベルが高い。

 特に石川は来年ドラフト候補として注目したい外野手だ。中日でプレーする石川翔の弟で、シートノックから鋭い返球を見せ、打撃もあわや本塁打と思わせる特大ファールを放った。重心とグリップ位置を低くして構える姿は威圧感があり、ボールを手元まで呼び込んで弧を描いたスイング軌道から振りぬく。体の使い方が上手く、捉える打球は実に速い。速球、変化球ともに対応ができて、選球眼もよく、簡単に打ち取れない雰囲気があり、どんな展開でも自分のプレーに集中できる精神力の強さを見ると、ドラフト候補として推していい選手だろう。

 また猪瀬も2.00秒台のスローイングとパンチ力が光る打撃が魅力の好捕手。佐々木は投手としても135キロ近い速球を投げ込むほどの肩の強さがあり、振り幅が大きいスイングから鋭い打球を連発。ポテンシャルの高い外野手として注目したい選手だ。

 2回裏に適時三塁打を放った8番・小太刀 健斗は、捉える能力が高い右の巧打者で遊撃守備も軽快で肩の強さも光る。次のステージでも続けていける可能性を持った選手であることは間違いない。

(文・=河嶋宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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