ドラフト1位も育成も結果を残したCSファイナルステージ
ドラフト1位として結果を残した岡本和真(智辯学園時代)
プロ野球はペナントレースを終え、ポストシーズンに入った。日本一を目指して最後の力を振り絞り、クライマックスシリーズ(以下、CS)を戦っている。
10月11日に行われたセ・パ両リーグのCSファイナルステージは対照的だった。試合内容が、ではない。活躍をした選手たちのドラフト順位が、である。
巨人対阪神の戦いとなっているセ・リーグは激しい点の取り合いとなった。巨人は岡本和真の本塁打や阿部慎之助の適時打などで6点を奪えば、阪神は高山俊と近本光司の適時打などで得点を重ねていく。
そして迎えた9回表、阪神は大山悠輔が決勝本塁打を放ち7対6で阪神が勝利を収めている。最後を締めたのは、8回からマウンドに登っていた藤川球児だった。
巨人の岡本に阿部、そして阪神の高山、近本、大山、そして藤川は全員がドラフト1位。最大級の期待を受けて入団した選手たちが、この大舞台で見事に結果を残したのである。
一方のパ・リーグでは西武対ソフトバンクの一戦が行われた。この試合はソフトバンクが7対0で勝利を収めているが、先発の千賀滉大が8回無失点、被安打2、奪三振10と圧巻の投球を披露。マスクをかぶりリードしたのは甲斐拓也だった。
また、「1番・二塁」で起用された牧原大成が、本塁打を含む3安打4打点と大暴れ。チームに勢いをもたらし勝利へと導いている。
千賀に牧原、そして甲斐はともに2010年の育成ドラフト組。そこから競争を勝ち抜き、支配下登録を経てこの大舞台で結果を残すほどの選手になったのである。
10月17日に行われるドラフト会議まであと1週間を切った。今年は、佐々木朗希(大船渡高校)や奥川恭伸(星稜高校)、そして森下暢仁(明治大)といった投手たちに大きく注目が集まっている。1位入札で重複するのは確実な状況だ。
しかし10年後には1位候補の3人だけでなく育成を含む下位指名の選手たちが、ドラフト前の評価を覆し大舞台で大きな結果を残しているかもしれない。
文=勝田聡