都立国立vs都立町田工
二刀流・鈴木太陽が投打で活躍し、2年連続で都大会出場
鈴木太陽(都立国立)
都立初の夏の甲子園出場を決めた都立国立は都立町田工との代表決定戦を迎え、14対1の5回コールド勝ちを決めた。
1回に2つの押し出しで先制すると、2回には打者14人の攻めで10点を追加。3回にも9番太田の2点適時打で14点を入れた。
昨秋、都大会出場を決めるサヨナラ3ランを放った鈴木太陽(2年)は4番エースを務め、選手11人を引っ張る中心選手へ成長した。176センチ84キロと恵まれた体格。二の腕の太さ、太ももの太さの体格の良さだけではなく、自信をもってプレーしている姿にも惹かれるものがある。
まず第1打席で遊撃内野安打を放つと、第2打席はセンターの頭を超える2点適時三塁打。さらに第4打席でも中前安打を放ち、4打数3安打2打点の活躍を見せた。投げては最速128キロのストレートは威力があり、スライダー、カーブを織り交ぜ5回1失点の力投を見せた。
ただ鈴木は投打の内容に満足していない。「打撃は打率を残しつつ、さらに長打を打つ率を高めることをテーマに行ってきました。あまり良くなかったです」と鈴木の打撃は押し込みの強さを生かし、振り回す打撃が特徴だが、芯で捉えたといえる打球ではなく、詰まり気味。詰まり気味でも外野奥へ飛ばすパワーは魅力だ。また、ピッチングを振り返ると、ストレートもいつもの走りではなく、甘く入ったボールも見られた。それでも要所を締めるピッチングは見事。
進学校で、これほど投打の才能、肉体的な素質に恵まれた選手はそういないだけに、今後の進化を期待したい。
これで2年連続の都大会出場した都立国立だが、この春、日本大を卒業したばかりの中村監督が就任。中村監督は「夏休みは守りを重視していて1つずつアウトを取ることをテーマにしていましたが、練習試合でもこんなに点が取れたことは驚きでした。ただこれまでテーマにしてきた守りは大事にしていきます」と5回コールド勝ちの大勝でもしっかりと気を引き締めていた。
(文=河嶋 宗一)