地方大会1回戦敗退からプロ入り! 西武・平良海馬が初登板
7月19日の西武対オリックスの試合で楽しみな選手がデビューを果たした。西武の平良海馬である。
平良は2017年ドラフト4位で沖縄県の八重山商工から西武へと入団した高卒2年目の右腕だ。ルーキーイヤーの昨シーズンはファームで10試合に登板し、16.2回を投げ防御率5.40の成績を残していた。
防御率だけをみると今ひとつだが、平良の売りは奪三振能の多さにある。投球回数を上回る21奪三振をマークしており、K/9(1試合で何個の三振を奪うかを表す指標)は11.34と高水準を記録していたのだ。
一方で与四球は17個。こちらも投球回数を上回っており、BB/9(1試合に何個の四球を出すかを表す指標)は9.18。お世辞にも制球が良いとは言えなかった。
しかし2年目の今シーズンは7試合で16回を投げ、防御率1.13、22奪三振(K/9:12.38)、7四球(BB/9:3.94)とすべての数字で1年目を上回ったのである。
7月8日に一軍へ昇格してからなかなか出番がなかったものの、満を持して登板した先のオリックス戦では1回無失点と上々の投球内容だった。すぐに登録を抹消されていないことからみても、中継ぎとして一軍で経験を積むことになりそうだ。
全国大会出場経験なし、最後の夏は地方大会1回戦敗退
八重山商工時代の平良海馬
そんな平良は、八重山商工時代に甲子園をはじめとした全国大会への出場経験はない。それどころか3年夏の沖縄大会では、1回戦で敗退している。ドラフト会議で指名される多くの選手は甲子園へ出場、もしくは県大会で上位に入るような成績を残していることがほとんど。しかし、平良にそういった実績はひとつもなかった。
にもかかわらず、ドラフトで指名を受け2年目にして一軍初登板の舞台をつかんだのである。
今年も各地で全国高校野球選手権大会へ向け、49地区で熱い戦いが繰り広げられている。各地区で敗退し甲子園の舞台に届かなかった、それも初戦敗退の学校にだって未来のプロ野球選手が潜んでいる可能性はある。そんな「夢」を平良が教えてくれた。
<今シーズン成績>
平良海馬(西武)
(一軍)2試合/0勝0敗/2回/奪三振0/与四球1/防御率0.00
(二軍)7試合/1勝0敗/16回/奪三振22/与四球7/防御率1.13
※数字は2019年7月22日終了時点
(記事・勝田 聡)
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