Interview

目指すは甲子園で本塁打!大谷翔平に憧れる平尾 柊翔(春日部共栄)

2019.03.08

 22年ぶり選抜出場を決めた春日部共栄。投打の大黒柱・村田賢一に注目が集まるが、先輩、首脳陣からも評価が高いのが平尾 柊翔だ。中学時代は侍ジャパンU-15代表に追加選手として選ばれ、第9回 BFA U15アジア選手権に出場。4番打者として活躍を見せ、春日部共栄では不動の3番打者として、打率.429、1本塁打、9打点と好成績を残し、関東大会準優勝に貢献した。そんな平尾の特徴が鋭いヘッドスピードから広角に打ち分けるバッティング。構え方、右足を高く上げて、スイング軌道とともに大谷翔平と同じメカニズムをした選手だ。

 今年の選抜では平尾とともに第9回 BFA U15アジア選手権に出場した選手たちも甲子園の土を踏む。そんな選手に負けない活躍を見せたいと意気込む平尾を追った。

まさかだった侍ジャパンU-15代表入り

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キャッチボール中の平尾柊翔(春日部共栄)

 平尾は野球一家の元で育った。母方の祖父はプロ野球選手で、母の弟が社会人野球までプレーした選手で特に叔父から幼少期を教わってきた。
 「野球のすべては叔父から学びましたし、大きく成長させてもらったと思います」と感謝の言葉を述べた平尾。

 上尾市立大石南中に進むと、ここで長打力の才能を開花させる。
 「軟式なので、ボールを運ぶようにして振るとボールが飛ぶんです」

 ボールを飛ばす感覚を覚え、練習試合・公式戦を合わせて通算30本塁打。軟式では異例の本塁打数だ。チームは早期敗退が多かったが、埼玉の中学野球の指導者からはその素質を高く評価され、Kボールを使う「KB埼玉県選抜」に選ばれ、全国大会に出場。その全国大会が終わった後だった。

 「代表監督から『平尾君が侍ジャパンの追加メンバーに選ばれました』と発表され、えっ僕が?と思いました」
 いきなり訪れた侍ジャパン入り。このメンバーには選抜に出場する内山壮真星稜)、荻原 吟哉星稜)、功刀史也山梨学院)、鎌田 州真国士舘)がいた。なんと平尾はそういうメンバーの中で4番を打つこととなる。

 「まさか自分が4番を打つとは思いませんでした」と自分でも驚きだったが、優勝を経験。
 「レベルの高いメンバーと一緒にプレーしたことや、また韓国、チャイニーズタイペイの投手のレベルの高さを実感して、自分はまだまだだなと感じました」

 侍ジャパンの経験は大きな刺激となっていた。
 春日部共栄に進むきっかけとして、埼玉県選抜で仲良くなった選手から春日部共栄に一緒に行こうと誘われ、また平尾自身も春日部共栄に憧れがあり、進学を決断した。

[page_break:硬式に合わせて打撃スタイルを変化させる]

硬式に合わせて打撃スタイルを変化させる

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平尾柊翔(春日部共栄)

 春日部共栄では硬式に合わせて打撃スタイルを改めた。
 「軟式では運ぶような感じで打てたのですが、硬式ではそれがうまくいかなかったので、上から振り下ろして叩くと、飛ぶようになりました。打撃スタイルは大谷翔平選手を参考にしました」

 自分の持ち味を発揮するようになったのは1年秋から。県大会準々決勝の上尾戦では本塁打。「うまく打てたと思います」と振り返り、県大会関東大会でも快打を続け、打率.429を残した。

 そして選抜出場が決まった1月25日、平尾は星稜の内山と連絡をとった。
 「お互い甲子園でホームランを打とうと約束しました。お互い頑張りたいですが、もし対決が実現したら負けたくないと思います」と対抗心を燃やす。

 上級生、指導者も高く評価する打撃センスを甲子園の場でも発揮できるか注目だ。

文=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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