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夏の甲子園は今年から休養日が2日間に!日程が緩和された2003年の甲子園から振り返る

2019.01.31

夏の甲子園は今年から休養日が2日間に!日程が緩和された2003年の甲子園から振り返る | 高校野球ドットコム
2018年、優勝した大阪桐蔭

 夏の甲子園は今年から休養日は2日間になることが高野連から発表され、新たに準決勝と決勝日の間に休養日が設けられることになる。
これまで甲子園に出場した学校の指導者、選手に訊くと、何日目で試合をするのか、試合感覚、試合日程についてデリケートになっており、また日程が緩和されたのは朗報だといえる。真夏の甲子園を制するにはチーム力はもちろんだが、それを最大限に発揮させる試合日程はかなり大事なファクターとなる。

 夏の甲子園は段階を応じて日程が緩和され、まず2003年。選手の健康負担を理由に、準々決勝戦は「1日2試合ずつ、2日間の日程」で開催された。それまで3回戦から決勝まで4試合連続で試合ということがあり、1998年優勝の横浜は3回戦から4日連続で試合だった。エースの松坂大輔は3回戦の星稜戦は9回完投、準々決勝のPL学園戦では17回完投、準決勝の明徳義塾戦では1回リリーフ、決勝の京都成章戦ではノーヒットノーラン。それでプロ入りして1年目から3年連続最多勝。それでもなお現役。はっきりいって松坂は例外中の例外といっていい。

 2003年は順延が続いたため、準々決勝1日開催だったのであまり変わらず、スケジュール変更の恩恵を受けた2004年から見ると、1回戦からでも2回戦からでも準々決勝まで中1日以上の試合スケジュールで臨んでいたことが分かる。再試合含め7試合戦った佐賀北は2回戦3回戦は連戦だったが、その後の2日連続での試合は準決勝決勝のみ。

■2004年 駒大苫小牧 2回戦から
■2005年 駒大苫小牧 2回戦から
■2006年 早稲田実業 1回戦から
■2007年 佐賀北   1回戦から
■2008年 大阪桐蔭  1回戦から
■2009年 中京大中京 1回戦から
■2010年 興南    1回戦から
■2011年 日大三   1回戦から
■2012年 大阪桐蔭  2回戦から

 2012年の大阪桐蔭は投打ともに戦力が揃っていただけではなく、初戦は8月13日、3回戦は8月18日、準々決勝は8月20日、1日置いて準決勝と連戦は準決勝と決勝のみと日程に恵まれたことで藤浪晋太郎は驚異的なピッチングができたといえる。そして2013年から準々決勝後に1日休養日が設けられた。

■2013年 前橋育英  1回戦から
■2014年 大阪桐蔭  1回戦から
■2015年 東海大相模 2回戦から
■2016年 作新学院  2回戦から
■2017年 花咲徳栄  1回戦から
■2018年 大阪桐蔭  1回戦から
 こうしてみると、間隔があきやすい2回戦からの方が有利と思いきや1回戦から登場のチームが優勝していることが分かる。ただ2013年パターンは3回戦から連続で準々決勝。中1日置いて、準決勝、決勝と、大会に勝ち進むほど消耗度が多い中、1日しか休養日がない。2003年から緩和されたスケジュールはベスト8に勝ち進むチームがすべて中1日を置いて迎えられるのに対し、2013年パターンは4チームしかない。

 例を挙げれば、決勝まで1人で投げた吉田輝星金足農)は3回戦を投げた17日から5日間で4試合を投げている。決勝戦では股関節を痛めた影響で途中降板したが、今では後遺症がなく、ほっとしている。今年からだと8月16日に3回戦を迎えた場合、6日間で4試合。一歩前進している。これで連戦が続くパターンが3回戦→準々決勝のみになりそうだ。理想としては、2003年パターンと新パターンの融合型。準々決勝までにも休養日があれば公平になるので、さらに踏み込んで議論してほしい。

 これほどハードなスケジュールながら、プロで活躍している甲子園優勝投手は例外中の例外ととらえ、日程の緩和など負担軽減は常に考えるべきテーマであり、実行していくことが大切になる。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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