Interview

育成から逆襲を!鎌田光津希(千葉ロッテ)はいかにして155キロ右腕になったのか【前編】

2019.01.28

 超高校級外野手・藤原恭大をドラフト1位で獲得した千葉ロッテマリーンズ。他にも2017年の明治神宮大会で優勝を経験した日体大の東妻勇輔浦和学院時代に選抜で優勝した小島和哉など、新戦力を加えた。
 その中に、強い覚悟と熱い闘志をもってNPBに飛び込む選手がいる。徳島インディゴソックスから育成ドラフト1位で指名を受けた、鎌田光津希(23)である。

 四国アイランドリーグplusで昨年17試合に登板して、4勝3敗。防御率2.43の成績を残した。鎌田は独立リーグでプレーする期間を2年と定め、NPB入りへ向けて、日々、研鑽を重ねてきた。そのストイックな姿勢は球団関係者、鎌田を見てきたトレーナーからも絶賛されている。1年でその目標を叶えた鎌田の姿勢の原点、トレーニング内容に迫った。

1軍での2桁勝利と新人王を目指す

育成から逆襲を!鎌田光津希(千葉ロッテ)はいかにして155キロ右腕になったのか【前編】 | 高校野球ドットコム
インタビューを受ける鎌田 光津希投手

 「あんな大人数の前で会見をやったことがなかったので、また違う緊張と楽しみがありました。」
 12月上旬に行われた新入団会見の感想を、少し緊張した面持ちで振り返った鎌田投手。

 記者会見などの場に行く機会が増えるにつれて「ロッテの選手なんだ」という実感がより一 層沸いてきていると話す鎌田は、2018年に独立リーグへ飛び込んだ。そして挑戦してわずか1年でプロへの扉をこじ開けた。

 年末は徳島や地元千葉県内で31日まで自主トレを継続。年明けは2日から体を動かし、ほぼ休むことなく、トレーニングを続けた。その強度は驚きのもので、たとえばデッドリフトなどトレーニングを普通の球児ならば、持ち上げれば、歓声が上がるような重量に対し、鎌田の場合、「メニュー」としてこなすほどの基礎体力の高さがあるという。投げては遠投や立ち投げのブルペンをこなしながら調整してきた。

 鎌田は「捕手を座らせて投げるのは合同自主トレで考えています。うまくキャンプに合わせていければ」と、2月のキャンプまでにしっかりと仕上げるつもりでおり、まだ6割ほどのボールだという。だがそれでも球質が重いストレートはとても育成枠の投手とは思えなかった。

 こうした調整をしているのは理由がある。
 「支配下登録はもちろんですけど、一軍では2桁勝利とローテーション入り。そして新人王を目指して頑張っていきたい。」

 鎌田投手は育成からのスタート。まずは支配下登録をされなければ、1軍のマウンドには立つことができない。つまりローテーションはもちろん、2桁勝利と新人王という夢はまだ遥か彼方なのである。
 自らの夢を叶えるためにもまずは支配下登録が絶対条件であり、スタートダッシュを決めて首脳陣にアピールする必要があるのだ。

[page_break:独立リーグのメリットを信じて、トレーニングに打ち込んできた]

独立リーグのメリットを信じて、トレーニングに打ち込んできた

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4月にインタビューした際の鎌田 光津希投手の投球フォーム

 夢を叶えるべく鎌田投手はプロの世界へ挑戦するが、1年間戦った独立リーグという場所を改めて聞くと、
 「大卒だったり高卒で社会人になったりすると、何年か空けないとプロにいけないっていうのが現実。しかし独立だと大卒でも高卒でも入ったら1、2年目でポーンと行ける選手もいる。1年1年勝負できるのが独立リーグの良さ」だと鎌田投手は語る。

 しかし一方で、独立リーグは終わりを告げる場所でもある。実際に大学で日本代表に選ばれた徳島インディゴソックスのチームメイト、谷田成吾はともにドラフトに挑んだが指名漏れ。昨年で引退することを決めた。独立リーグは決して甘い世界ではないからこそ、鎌田の目標はハッキリしていた。

 「徳島では2年ということを決め、その2年の中でも1年しっかりやる」ということを考えて、自分の中でプランを立てた。そのプランとは球速アップであり、それを叶えるためにトレーニングを積んできた。多くのトレーニングの中でも特に力を入れてきたのが感覚のトレーニングだった。
 「目をつぶった状態で他の人に指先を触ってもらってどの指を触ったのか当てたり、ウォーターバックを持って細い板の上に乗って、そこでフロントスクワットで歩いたり。それで指先や足裏の感覚を養っていました。」

 ベンチプレスやスクワットなど器具を使ったウエートトレーニングはもちろん、チューブを使ったインナーマッスルも週4日でしっかり鍛えている。同時に毎日グラウンドではランニングや体幹トレーニングをやることで、身長180センチ87キロの強靭な体格を作り上げた。

 年末年始は0から100の力を発揮できるように、ジャンプなど動きながらのトレーニングを実施することで、身体の使い方を学んでいる。発揮できる総出力を増やしながら、その力をうまく使えるように連動性を高めていった。

 だがその体格から最速155キロの剛速球を投げるためには、ボールにいかにロスなく力を伝えられるか。つまり最後は指先の感覚が大事になってくるわけだ。だからこそフィジカルと並行して鍛えてきた感覚のトレーニングが必要不可欠であり、感覚を磨き上げたことで速球を生み出すことができたのだ。

 しかし鎌田が徳島で手にしたのは速球だけはない。決め球となるフォーク、そしてナックルカーブは独立リーグで磨きをかけてきた。

 前編はここまで。後編では徳島で手に入れた鎌田投手の2つの武器、フォークとナックルカーブについて。そしてプロの世界への意気込みを伺った。次回もお楽しみに!

文=編集部

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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