こんな増量計画を立てていませんか
カップ麺でカロリーをとっても増えるのは「かさ」ばかり。野球選手にふさわしい増量計画を立てよう。
シーズンオフが近づくと、来春に向けての体づくりに本格的に取り組むチーム・選手が多いと思います。ところがその内容を聞いてみると、ひたすら食べて増量することに意識をもっている選手も少なくありません。確かにたくさん食べることそのものは、体を大きくするために必要なことですが、急激な増量はケガの一因ともなりやすいので注意が必要です。皆さんはこのような増量計画を立てていませんか?
●夜にお菓子やカップ麺を追加して食べている
「三食だけではカロリー不足なので、夜にお菓子やカップ麺を食べています」という選手がいました。就寝前にたくさん食べてしまうと、胃腸に負担をかけやすく、翌朝の食事にも影響します。こういう選手は朝食の内容を確認してみるとそもそも内容量が少なかったり、欠食をしていたりといったこともあります。カロリーが多いものをひたすら食べるだけでは、体の「かさ」は増えるかもしれませんが、野球選手として動ける体づくりとは言いがたいものです。
●ひたすら肉類ばかり食べている
「筋肉をつけるためにはタンパク質が必要」ということは理解しているものの、ただひたすらタンパク質(肉類)ばかりを食べている選手がいました。筋肉を太く強くするためにはタンパク質とともにビタミンやミネラル分などさまざまな栄養素が必要になります。野菜があまり好きではないという選手も少なくありませんが、野球選手の体づくりとしては食べやすい野菜や果物などからでも構わないので、できる範囲で栄養バランスを考えた食事をとることが大切です。
●1ヶ月に5キロ~10キロ増やす
「体を大きくしたいから1ヶ月で5~10キロを目標に増量したい」という選手がいました。1ヶ月で5~10キロといった急激な増量は、足首や膝、股関節などの荷重関節に大きな負担をかけやすくなります。実際に1ヶ月に5キロ増量した選手はその後、膝を痛めてしまいました。数値目標を立てることは非常にいいことなのですが、適切な増量計画を立てるようにしましょう。荷重関節に負担なく増やすためには1ヶ月で1~2キロを目標にします。オフシーズンに体を大きくしたい、10キロ増やしたいという場合は1ヶ月2キロ×5ヶ月(たとえば10月から2月までの5ヶ月間)というふうに長期的に考えて行うようにしましょう。
文:西村 典子
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