公式練習のない近畿大会、球児のために導入を考えるべき!
秋季近畿地区大会の組み合わせが決まりました。気になる組み合わせ表はこちらをご覧ください。
今年の開催地は兵庫。会場は、[stadium]ほっともっとフィールド神戸[/stadium]です。プロ野球でも開催されるのでご存知の方も多いと思いますが、内野天然芝で綺麗かつ素晴らしい球場です。でも、プレーする選手にとっては、慣れが必要な球場でもあります。
秋季地区大会では、北海道大会、九州大会、北信越大会など、多くの地区で開幕の前日、あるいは前々日に試合会場での公式練習が行われています。(希望校のみの地区もあり)
今年も北信越大会では、土曜日(13日)の開幕前に、早いチームは木曜日に公式練習をしました。つまり木、金と2日間、公欠を使えているわけですね。
しかし、平日は雨天等の予備日が発生しない限り授業優先のスタイルの近畿大会は伝統的に公式練習というものがありません。さらに、試合前のシートノックは芝生保護の目的で、スパイクではなくアップシューズです。選手にとっては、試合の入りなどで苦しむ可能性が高くなるわけです。
先日、兵庫大会、大阪大会の最終日を取材した際、監督に内野天然芝対策を聞きましたが、「経験がないですからね。でも相手も同じ状況なので」という答えがほとんどでした。
自校のグラウンドも、内野が天然芝というところはないのではないでしょうか。兵庫代表の明石商、神戸国際大附、報徳学園の3校はいずれも、夏の兵庫大会で内野天然芝の同球場を使用しました。ただ、秋は未使用のため、経験がない選手も多くいます。内野天然芝文化に馴染んでない日本の野球選手にとって、いきなり使用するとなると準備がいります。国際大会に挑むU-18の選手も毎年のように内野天然芝の慣れが課題になっていますよね。
逆にアメリカの選手などは、子供のころから馴染んでいるケースが多いです。
全校が同じ条件といえばそれまでですが、選手のケガの可能性を低くし、かちベストパフォーマンスができる工夫を主催者側も考えてみてはどうでしょうか。
ベストは公式練習ですが、今となっては中々難しい。できることと言えば、夏の神奈川大会のように試合と試合の間を1時間くらいとり、例えばシートノックを10分にしてみる。芝生保護の目的はわかりますが、やはりスパイク使用OKにしてみる。出場校も喜ぶと思います。
因みに、公式練習のない近畿大会。毎年、独自で平日に会場を確保して練習する学校もあり、争奪戦になる年もあると聞きました。その有利不利をなくすためにも、将来的には、他地区のような平日に公欠を使っての主催者が設定する公式練習の導入を考えるべきだと私は思います。全ては慣れない球場でのケガ防止、選手のベストパフォーマンス発揮のために。
参考:北信越大会の公式練習日程表
(文:松倉雄太)