試合レポート

日立一vs石岡一

2018.05.03

日立一が逃げ切って準々決勝に進出!7番・五月女 耕大が値千金2点タイムリースリーベース!石岡一エース岩本大地が146キロを連発もノックアウトされる

日立一vs石岡一 | 高校野球ドットコム
値千金の2点タイムリースリーベースを放った五月女(日立一)

 3回戦第3試合は、第4シードの日立一と2年連続春季関東大会に出場している石岡一の好カードだ。
先攻・日立一の先発は背番号1の左サイド・清水 大海が、後攻・石岡一の先発は背番号1の右腕・岩本 大地(2年)となった。

 1回表、石岡一エース岩本 大地が146キロを連発してスタジアムがどよめく。しかし日立一は速球に対応する。高めのボール球をしっかりと見極めて四球を選び、3番・清水のレフト前ヒット、4番・木川 静の内野安打で一死満塁とすると、5番・小松 慎太郎はストレートの四球となり押し出しで1点を先制する。なおも一死満塁とチャンスは続くが、連続三振に倒れて追加点は奪えない。
 先制された石岡一は1回裏、2番・酒井 淳志がセンター前ヒットで出塁し、送って二死二塁のチャンスを作るが、4番・深作 琉偉はピッチャーゴロに倒れる。

 2回表、日立一が追加点を挙げる。先頭の8番・小口 翔太がショート内野安打で出塁し、犠打と1番・小松 夕晟のレフト前ヒットで一死一、三塁から、2番・島崎 開史のレフト犠牲フライで1点を追加する。
 2回裏、石岡一は先頭の5番・谷田部 雅生がレフト前ヒットで出塁し、送って一死二塁のチャンスを作るが、7番・岩本 大地は見逃し三振。さらに牽制死でチャンスを生かせない。

 5回表、日立一がさらに得点を重ねる。先頭の2番・島崎がセンター前ヒットで出塁し、盗塁とライト犠牲フライで一死三塁とする。ここで4番・木川はショートゴロを放つが三塁ランナーは本塁憤死で二死一塁となる。その後、盗塁と四球で二死一、二塁とし、6番・五月女 耕大のセンターオーバースリーベースで2点を追加する。さらに連続四死球で二死満塁とする。石岡一はここで岩本大地を諦め背番号10の右腕・稲葉 遥をマウンドへ送り後続を打ち取る。

 4点差とされた石岡一は6回裏に反撃する。先頭の9番・湯原 龍我と1番・河嶋 駿太郎の連打と犠打で一死二、三塁から、3番・横田 喜大のショートゴロで1点を返す。さらに二死三塁から、4番・深作の、レフト前タイムリーで2点目を奪う。
 石岡一の2番手・稲葉は6回から9回までの4イニングで一度も得点圏にランナーを背負わず日立一打線を封じて味方の援護を待つ。


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完投勝利を挙げた清水(日立一)

 2点差を追う9回裏、石岡一は二死から6番途中出場・永作 陸がセンター前ヒットで出塁し望みを繋ぐが、7番代打・中嶋 祥允は空振り三振に倒れ試合終了となる。
 日立一石岡一の豪腕・岩本 大地から4点を奪って逃げ切り勝利を収めた。

 先発したエース左腕・清水 大海は最速126キロながらストレートは切れ味が抜群だった。右打者に臆することなくサイドからクロスファイヤーを投じて詰まらせ、9回を被安打10でランナーを背負いながらも無四球で2失点完投した。特筆すべきは牽制を武器としていることだ。一塁牽制で2度、二塁牽制で1度、絶妙なタイミングで牽制を入れて石岡一の反撃の芽を摘んだ。

 打線は岩本大地がコントロールに苦しんでいる場面では選球眼よくきっちりと見極め、高めに浮いた甘いボールを逃さず捉え、2回まで矢継ぎ早に得点を重ねた。さらに6回には6番・五月女 耕大が値千金の2点タイムリースリーベースを放った。ただし、2番手の稲葉 遥からはスライダーに全く合わずチャンスを作れずに終わった。

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146キロの豪腕・岩本大地(石岡一)

 石岡一は先発の岩本 大地が豪腕振りを遺憾なく発揮し146キロをマークしたが、ボールが先行する苦しい立ち上がりとなった。4回までに6奪三振とさすがの球威ではあったが、5回2/3で5四死球と精細を欠き付け入る隙を与えてしまった。現時点で2年生でありながら明秀学園日立・細川 拓哉をしのぐ球威を持つ県下ナンバーワンの豪腕であることは間違いないが、投手としての完成度はまだ高くない。これからのさらなる成長を見守って行きたいものだ。

 打撃陣は1番の河嶋 駿太郎が俊足を生かして3安打のうち内野安打が2本と攻撃の起点となったが、3個の牽制死が響いて畳み掛けることができなかった。
 日立一は準々決勝で水戸商と対戦する。秋は同じく準々決勝で水戸商と対戦して5対1で勝利しているが、水戸商は長身左腕・川澄 裕音が10キロほど球速を伸ばし、サークルチェンジが面白いように決まる秋とは別人のような投手に進化している。秋以来の再戦はどうなるか非常に楽しみだ。

(取材・写真= 伊達康

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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