体づくりのためにしっかりと噛んでいますか?
タケノコやゴボウ、レンコンなどの入った筑前煮は噛み応えのある料理の一つ
■体づくりのためにしっかりと噛んでいますか?
小さい頃に「食事はよく噛んで食べるように」と言われた選手は多いと思います。最近の食べ物は食べやすさを重視し、軟らかく、手軽に食べられるものが多くなってきているように思います。食事の時間が短くてついつい「流し食べ」をしてしまうこともあるかもしれませんが、食事時間には余裕をもってよく噛んで食べることを心がけましょう。よく噛んで食べることのメリットとしては唾液を分泌し、胃腸での消化・吸収を助けることや虫歯の予防、また噛む回数を増やすことで脳への刺激となることなどが挙げられます。
食べ物をよく噛むと食べ物は細かく砕かれて胃へと送られていきますが、あまり噛まないまま食べ物を飲み込んだように食べてしまうと大きな塊のまま胃へと到達することになります。小さなものは消化しやすいですが、大きなものを消化するには時間がかかるということは理解できると思います。また唾液に含まれる分解酵素が食べ物の消化を助けることも知られています。さらに唾液を多く分泌することは口腔内の汚れや細菌を洗い流し、虫歯予防や歯周病予防にもつながります。
噛む回数が増えると脳への刺激になることも知られています。特に朝食はエネルギー源の補給だけではなく、よく噛むことで脳をしっかりと目覚めさせ、朝から集中して過ごせるようにするためにも必ず食べる必要があります。柔らかい食べ物(例えばおかゆ、ぞうすい、麺類、パンなど)ばかりを食卓に並べるのではなく、噛み応えのあるものも一品か二品準備できるといいですね。食物繊維が豊富な野菜(例えばブロッコリー、ごぼう、ニンジンなど)こんにゃく、エビやタコ、イカなどの魚介類などは自然と噛む回数が増えるので上手に活用しましょう。
身体づくりのための食事は食事量やその内容ばかりに目がいきがちですが、これと同じくらい「噛み応えのあるもの」についても考える必要があります。野菜が不足しがちな高校野球選手は特に野菜を食べ、栄養バランスだけではなく、口腔内の健康と集中力アップにつながる食事を心がけたいものですね。
文:西村 典子
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