試合レポート

尾道vs盈進

2017.10.31

尾道が鮮やかな逆転勝ちで広島王者を降し、4強へ!

尾道vs盈進 | 高校野球ドットコム
井上 愛斗(尾道)

 勝てばセンバツ出場の可能性が出てくる準々決勝。[stadium]福山市民球場[/stadium]の第一試合は盈進(広島1位)と尾道(広島4位)の「同県対決」となった。広島大会準決勝でも両校は対戦。注目を集める「再戦」となった。

 先攻・尾道、後攻・盈進。先発は尾道が背番号7の1年生・井上 愛斗盈進下江 秀弥。両校1回戦で完投勝利を挙げた投手をマウンドに送り込んだ。

 1回表、1番中津 光人が失策で出塁し、2番関 洸太のエンドランで二塁へ。3番森田 哲平も死球で出塁し、一死一二塁のチャンスを作るも、下江 秀弥の前に後続が打ち取られ無得点。

 ピンチを脱した盈進は1回裏一死後、三連続四球で満塁に。二死後6番當田 博章が四球を選び、押し出しで先制。ノーヒットで1点を奪う。更に7番野呂 祐樹は死球となり、連続押し出しで盈進が2点の先制に成功。

 続く2回裏、一死後1番寄高 慶生が右中間を破る二塁打でチャンスメイク。二死後4番佐山 雄大が左前に適時打を放ち、1点を追加。盈進がリードを拡げる。

 追う尾道は4回表、先頭の4番河野 椋斗、5番塚本 響、6番黒田 健翔の三連打で1点を返す。更に6回表にも二死走者無しから6番黒田 健翔、7番井上 愛斗、8番伊藤 拓未の三連打が飛び出し、1点差に迫る。

 盈進1点リードで迎えた9回表、二死走者無しと追い詰められた尾道だったが、8回途中からマウンドに上がった濱岡 拓海を捉え、4番河野 椋斗、5番塚本 響の連続長打。土壇場で試合を振り出しに戻す。

 9回裏に二死満塁のサヨナラのチャンスを作ったが盈進だが、井上 愛斗が踏ん張り、サヨナラとは成らず。試合は延長へ。

 続く10回表、失策と四球で二死一二塁のチャンスを作った尾道。迎えた2番関 洸太も右前打で続き、二死満塁とし、3番森田 哲平が右越えの二塁打。走者一掃の適時打となり、尾道がこの試合初めてのリードを奪う。

 3点を追う立場となった盈進だが、10回裏は井上 愛斗の前に三者凡退で試合終了。尾道が鮮やかな逆転勝ちで4強へ名乗りを上げた。

 序盤は制球に苦しんだ尾道先発の井上 愛斗だったが、初戦の鳥取城北戦同様、回を追うごとに安定感を増していった。特に5回途中から8回にかけて奪った打者11人連続アウトは圧巻。延長10回を粘り強く投げ抜き、勝利を呼び込んだ。

 敗れた盈進もこの試合で登板した下江 秀弥濱岡 拓海の二枚看板、倉敷商戦で剛腕・引地 秀一郎を攻略した打線と攻守に渡る総合力の高さを今大会でも存分に発揮。来春以降も間違いなく注目の存在だろう。

 準決勝進出を果たし「悲願」の初甲子園が現実味に帯びてきた尾道。率いる北須賀俊彰監督は「ウチは出場16校の中でも1番下のチーム。欲を出したらダメですし、この先も目の前のプレーに集中するだけです」と控えめに語る。次戦でも「無欲」で自分達の野球を貫けるか。勝てばセンバツ当確ランプが灯る準決勝での戦いに注目だ。

(文・写真=井上 幸太)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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