駿台学園vs学習院

前野 竣（駿台学園）

　10日、明治神宮第二球場で行われた秋季東京都大会1回戦、駿台学園対学習院の試合は駿台学園の打撃が爆発、さらに先発・前野 竣が1失点と学習院を圧倒した展開になった。

　駿台学園は二回表、先頭の5番鈴木 駿介が左線二塁打を放つと、6番鈴木 翔天が四球で出塁、続く7番腰越 有が犠打で一死二、三塁のチャンスを作る。そして8番川上 晴規のセカンドゴロの間に1点を先制した。なおも二死三塁とチャンスは続く。9番前野 竣が四球を選び一、三塁とすると、1番森田 大斗の左前安打と2番秀 直樹の中前安打でさらに1点ずつ追加し、なおも二死一、三塁。そこで学習院はピッチャーを山﨑 大空へと交代するが、野手の送球エラーでさらに1点。この回4得点と学習院を追い込む。

　駿台学園は4回に2点を追加し8回。一死から死球とエラーで一死一、二塁のチャンスを作り、代打・菅沼 翔が左前安打を放ち1点追加。なおも一、二塁とし学習院はピッチャーを梅澤 昂大に交代。1番森田がサード強襲で満塁とすると、2番秀が死球の押し出しで1点、続く3番大谷が痛烈な右線二塁打を放ちさらに2点。そして一死二、三塁から4番矢作の犠牲フライで1点。この回に5得点の猛攻を見せ、見事コールド勝利をおさめた。

　この試合、打撃が爆発した駿台学園だが、学校のグラウンドはそれほど広くなく自由に打つのが難しいという。しかし、環境を言い訳にせず、他の高校よりもバットを振りこんできた。その結果がこの試合には顕著に現れていた。

　エースナンバーをつけている井上 宙は、故障ではないが、調子があがらず調整しているという事だった。この試合の先発・前野は緩急を駆使し、学習院バッターを翻弄していた。立ち上がりこそ不安定だったが、だんだんとコントロールもよくなり、中盤以降は安定していた。

　2回戦では、相手よりもまずは自分たちの出来ることをやっていくと川口 将司監督は意気込んでいた。

　学習院も部員15名の中予選を勝ち抜き、本戦へ出場した。この試合はエースナンバーをつける1年生サウスポー・鈴木 康誠が先発し奮闘したが、フォームがなかなか安定せず制球に苦しんだ。2番手・山﨑は2回途中から8回途中まで粘りの投球を見せ、ゲームを作った。瀧澤 拓也監督は、部員が15人なのでまずは一人一人の責任感や自覚をつけさせることが優先、技術はそのあとだとまっすぐな眼差しで述べてくれた。

　勝った駿台学園は10月14日、町田小野路野球場で2回戦、明大中野と試合を行う予定だ。

（文＝編集部）

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