試合レポート

糸満vs前原

2017.07.03

終盤に魅せた両軍の意地が試合を彩ったナイスゲーム

 2回に相手のエラーで出塁したが、4回二死まで前原先発のサウスポー瀬良 垣秀哉の前にノーヒットと、糸満打線はかなり苦しめられた。4番金城 憲貴がセンター前へヒットを放つが二塁までたどり着けない。しかし5回、この回先頭の座波 賢吾が中前安打で出塁。犠打で二塁へ進んだのち、次打者が死球で一、二塁となる。その後投前へのゴロを捕球した瀬良 垣がセカンドベース上へ転送したが、呼吸があわなかったかエラーとなってしまう。その間に二塁走者が生還し先制した。

 一方の前原打線も、糸満山城 智紀の前に田場 幹人のヒット1本のみ。4回にはノーヒットで二死ながら三塁を陥れたが得点には至らなかった。しかし6回、1番の田場がレフト前ヒットで出塁。続く吉田 大志郎が3球目を振り切りライト前へ運ぶ。犠打と思った糸満の裏をかいたような見事な攻撃を見せる。しかし次打者はセカンドゴロも併殺を焦ったか送球が逸れる間に二塁から田場が生還し同点に追いついた。

 追いつかれた直後の糸満はその裏、この回先頭の3番金城 佑真が二塁打。4、5番は打ち取られたが座波 賢吾がレフトへ大きな当たりを放つ。頭上を越えるタイムリー三塁打となり、再び勝ち越しに成功した。そして8回、糸満は二死二塁から7番の山口 房倫の打球はピッチャーとファーストの間へ。これが絶妙な位置を転々とする内野安打タイムリーとなり、大きな3点目を刻み込んだ。

 前原は9回、4番松尾 優一郎が一塁線を抜くツーベースヒットで出塁する。次打者の右飛で三塁まで進んだが、糸満山城 智紀の踏ん張りが優った。後続をサードへのファールフライとライトフライに斬ってとりゲームセット。山城は奪三振こそ僅か1個だったが、フライアウトで10個を得るなど打たせてとるピッチングで前原を牛耳り完投。決勝進出した2年前以来となるベスト16入りを果たした。

(文=當山 雅通

糸満vs前原 | 高校野球ドットコム
注目記事
第99回全国高等学校野球選手権大会 特設ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.28

春の福岡地区を制した沖学園(福岡)、勝利のカギは異例の「決勝直前沖縄合宿」だった

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】川内商工が2試合連続逆転サヨナラ勝ち!雨のため2試合が継続試合

2024.05.28

【鹿児島NHK選抜大会】錦江湾が1点差勝利!出水工の追い上げ、あと1点及ばず

2024.05.28

【大分】佐伯鶴城は4戦3勝、杵築は4戦で1勝<強化試合>

2024.05.28

【北海道】北海が逆転勝利、27連勝で4季連続V達成<春季全道大会>

2024.05.25

【関東】白鷗大足利が初、逆転サヨナラの常総学院は15年ぶり決勝<春季地区大会>

2024.05.25

【熊本】九州学院、熊本工が決勝へ<NHK旗>

2024.05.25

首都2部優勝の武蔵大の新入生に浦和学院の大型左腕、左の強打者、昌平の主軸打者など埼玉の強豪校の逸材が入部!

2024.05.26

【春季関東大会】常総学院・中村虎汰郎が二刀流の活躍で決勝進出に貢献!9回にはサヨナラに繋がるヒット!投手としてはセンバツ後に再転向で連日の好リリーフ!

2024.05.25

【岩手】盛岡大附がサヨナラ、花巻東がコールドで決勝進出、東北大会出場へ<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.29

【岩手】盛岡中央、釜石、水沢が初戦を突破<春季地区予選>

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商