南部工vs本部
史上3度目のタイブレークへ突入した好ゲーム。突き放した南部工が熱戦を制した
ホームランを放ち生還する和仁屋
三者凡退に終わった初回だったが2回、先頭打者として打席に立った和仁屋 樹が4球目を振り上げると高々と上がった打球はレフトスタンドで跳ねた。エースで主砲の一撃に盛り上がる沖縄南部工は3回、二死三塁から2番嶺井 政明のタイムリーで2点目をもぎとった。追い上げる本部はその裏、一死二塁から1番金城 永遠のレフトオーバー二塁打で1点。その後満塁としてプレッシャーを与えると押し出しの死球で同点。さらにスクイズを決めて逆転に成功。続く4回にも、二死二塁として金城永遠の2打席連続となるタイムリーが生まれリードを広げた。
中盤、膠着状態だったが8回、沖縄南部工は2本のヒットと相手のパスボールでツーアウトながら二、三塁とする。ここで代打で登場した主将南風原大輔がセンターオーバーの2点タイムリーで同点に。本部もその裏、二死一、二塁からみたび金城 永遠。打球はレフトの横を破る2点タイムリー二塁打となり突き放す。しかし9回、1番請舛 龍哉にタイムリー三塁打が飛び出す。2番嶺井 政明もレフト前へ運び同点に。両校ナインの、勝ちたいという気持ちが生む素晴らしい攻防は延長へ。12回でも決着がつかず、沖縄県高校野球連盟では2016の新人中央大会、同一年生大会に続く3度目のタイブレークへ入っていった。
互いに1点ずつを取り合ったあとの14回。相手のエラーで沖縄南部工に2点が入る。その裏「ベンチと選手にサインの疎通が出来ないまま打ってしまった。ずっとやってきたことが、この土壇場で出せず負けるのは悔しい」と、本部宮城監督は振り返った。無死一、二塁から一死二、三塁へ、のはずだったが併殺打となり二死三塁。最後の打者も粘ったが、最後は和仁屋 樹が渾身の球で三振に斬りゲームセット。両校力を絞り出した熱戦を制した沖縄南部工が二回戦へ進出したが、本部の頑張りも、観ているもの全てが感動する素晴らしい戦いであった。
(文・写真=當山 雅通)
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