静岡vs三重
静岡が地元の声援も後押しで、そつなく得点重ねてコールド勝ちで決勝進出
静岡・成瀬君
ともに県を代表する名門校ではあるが、今大会はいずれも3位校として東海大会に進出してきた両校。とはいえ、さすがに実力校で静岡静岡は三重三重県1位の海星を、三重三重は静岡静岡県1位の聖隷クリストファーを下しての進出となった。つまり、クロスで両県の3位校同士で、東海大会の決勝進出を争うこととなったのだ。
霧雨のような感じに包まれて、ややどんよりとした天候だったが、予定通り10時プレーボールの試合。
まず静岡静岡が、先頭の大石君が中前打で出ると、バントで進め二死二塁となってから、4番成瀬君が左前へタイムリー打して先制。成瀬君は3回にも二死一三塁の場面で、早くも二番手となった三重三重のエースナンバーをつけた山本 大雅君から右前打で2点目を挙げている。きっちり、4番打者としての役目を果たしていた。
静岡静岡はさらに、4回にも二死走者なしから前田君が四球で出ると、捕逸で二塁へ進み、すかさず1番大石君が左前打して二塁走者を迎え入れて3点目を奪う。大石君はこの日は大当たりで、6回にも二死一三塁から右越三塁打を放って二者を帰し、8回にも一死二三塁から中前打して2打点のタイムリー安打を放ち、この日は4打数4安打の5打点と期待以上の活躍と言っていいものだった。
リードオフマンの活躍に栗林 俊輔監督も目を細めていたが、「3番、4番に回せば何とかなるから、(走者がいるときでも)無理に帰そうとするのではなく、塁へ出ることも大事な仕事なんだ」ということを伝えていたという。この日の大石君は、それに応えて余りあるものだったと言えよう。
静岡静岡の池谷君は、この日も尻上がりにスピードも増してくるかのようで、終始安定した投球だった。静岡静岡には、もう一人竹内君という好投手もいるが、「投げたくてうずうずしている」竹内君がマウンドに上がるタイミングがないくらいに、池谷君の投球は安定している。
もっとも、栗林監督はそれでも、「7回に打たれた場面なんかは、1球外せばいいところなんですけれども、投げ急いでしまって打たれてしまっていますよね。そういうところは、これからまだまだ修正していかなくてはいけないところでしょう」と、さらに欲を見せていた。
静岡静岡としては、地元開催の東海地区大会で最終的には決勝進出で、最終日まで勝ち残って、県を代表する名門校としての面目躍如ということにもなった。栗林監督は、「地元で多くの人の声援を受けられましたが、それをプレッシャーと感じるのではなく、力としていくことができました」と、県内の人気校としての責任を果たせたことにも安堵していた。
中村監督が5人の投手を送り込んだ三重三重だったが、ことごとく静岡静岡打線に掴まってしまったという形になった。それでも、6回に一死一三塁から代打東君が、起用に応えて中越二塁打して2点を返して、一矢を報いることはできたものの、そこまでだった。
(文・写真=手束仁)
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