試合レポート

取手一vsつくば国際大東風

2016.09.09

好投手対決は田中に軍配。取手一のエース兼4番・田中裕人が9回表に決勝ホームラン!東風の好投手・佐賀史宗は1失点完投も初戦で姿を消す

取手一vsつくば国際大東風 | 高校野球ドットコム

ホームランでダイヤモンドを一周する田中

 県南地区予選1回戦の第2試合は、今夏の大会で2年生エースを擁して躍進したチーム同士の対戦となった。

 取手一は右腕・田中裕人を擁し、シードの日立一を完封で下して4回戦進出を果たした。対するつくば国際大東風も、右腕・佐賀 史宗を擁して4回戦進出。4回戦では明秀学園日立に7回コールドで敗れたものの、試合中盤まで明秀学園日立打線を苦しめた。

 先攻・取手一の先発は背番号10の左腕・庄司 勇人(2年、常総ボーイズ)。後攻・つくば国際大東風の先発はエース右腕・佐賀。

 2回表、取手一は一死から四球と犠打、7番・西田 裕哉(2年、守谷愛宕中)のセンター前ヒットで二死一、三塁のチャンスを作るが、8番・庄司はセカンドゴロに倒れる。
2回裏、つくば国際大東風は先頭の4番・矢田貝 雄太(2年、つくばヤングBBC)がセンター前ヒットで出塁し、送って一死二塁とするが、後続に1本が出ない。

 3回表、取手一は一死から1番・大坪 恭輔(2年、取手シニア)が四球で出塁し、盗塁で一死二塁とするが、次打者は打ち取られる。
3回裏、つくば国際大東風は一死から9番・斎藤涼(2年、千代田中)が四球、1番・吉本 大祐(2年、新治中)がライト前ヒット、2番・佐藤 将輝(2年、下稲吉中)が四球で、一死満塁の大チャンスを迎える。しかし、3番・薬師寺 優(2年、霞ヶ浦中)は浅いライトフライ。4番・矢田貝はセンターフライに倒れ先制のチャンスを生かせない。

 4回表、取手一は先頭の4番・田中裕人がレフト前ヒットで出塁し、送って一死二塁とするが、ライナーゲッツーでチャンスが潰える。

 5回裏、つくば国際大東風が再び満塁のチャンスを作る。二死から3番・薬師寺がレフトオーバーのツーベース、4番・矢田貝が四球、5番・大久保 陸(1年、府中中)がセンター前ヒットでつないで二死満塁のとする。しかし、6番・佐賀は空振り三振に倒れ1点が奪えない。

 6回裏、つくば国際大東風は一死から、8番・増山 創太(2年、新治中)のライト前ヒットと犠打、1番・吉本のレフト前ヒットで二死一、三塁のチャンスを作るが、2番・佐藤はセンターフライに倒れる。

 7回裏、取手一は2番手にライトの守備についていた田中をマウンドへ送り、3人で斬って取る。


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東風・佐賀

 8回表、取手一は一死から、1番・大坪が四球と盗塁で二死二塁とするが、3番・菅原 直生(1年、取手シニア)は空振り三振に倒れる。つくば国際大東風の右腕・佐賀は8回まで取手一を4安打無失点に抑える好投を見せている。
8回裏、つくば国際大東風は三者凡退。7回から代わった2番手・田中 裕人の力のある投球に力負けしており、先制の活路を見出せない。

 9回表、ついに試合が動く。取手一は先頭の4番・田中が、この日3本目のヒットとなるレフトオーバーのホームランを放ち、虎の子の1点を先制する。
9回裏、つくば国際大東風は一死から1番・吉本が振り逃げで出塁するが、後続が打ち取られ1点差のまま試合終了となる。

 取手一が1対0でつくば国際大東風を下し、土浦日大との県南地区代表決定戦に駒を進めた。

 取手一田中 裕人はエース・4番・主将という重責を一手に担う大黒柱だ。この日はエースとして3イニングを無安打、無失点。自己最速140キロというストレートはこの日、最速134キロにとどまったが、常時130キロ以上を計測。打者寄りにリリースされるスピンの利いたストレートが低めに集められ、ゾーンギリギリでミットに収まる。4番打者としてはチームで6安打のところ、個人で3安打をマーク。取手一としては、何としても田中の前にランナーを出したいところだ。また、主将としては、ライトにいても、ベンチにいても、イニング間も、チームを鼓舞する声が際立った。さらに、田中がマウンドへ上がった際は、外野手から一球ごとに大きく後押しし励ます声が掛けられ、良く声を掛け合うチームである印象を受けた。

 つくば国際大東風のエース右腕・佐賀史宗は、最速128キロのストレートと90キロ台のカーブで投球を組み立て、8回まで取手一打線を寄せ付けなかった。終盤、球威が落ちてきてはいたが、まとまりがあり試合が作れる好投手だ。1球に泣いたこの試合の悔しさを糧に、冬場にさらに球威に磨きをかけ、春以降の躍進に期待したい。

(取材・写真=伊達 康

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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