ヤクルト川端選手が初の首位打者獲得！「神宮のファンと喜べた優勝が嬉しいです」

ヤクルト川端選手が初の首位打者獲得！「神宮のファンと喜べた優勝が嬉しいです」

　シーズン141試合目でセ・リーグの優勝を決めた東京ヤクルトスワローズ。2001年以来14年ぶりとなる優勝は、ケガで戦線離脱する選手が少なく、投打にバランスがとれた戦いができたからであった。今シーズンから指揮を執る真中 満監督が昨年最下位に沈んだチームを立て直し、チーム打率と打点はリーグ1位に。

　さらに打率、打点、本塁打のタイトルは川端、畠山、山田とヤクルトの選手が独占した。

　今シーズン、打率と最多安打と2つのタイトルを獲得した川端 慎吾選手の活躍を追った。

■首位打者を目標に挑んだ2015年

　開幕前のインタビューでは、2015年シーズンの挑戦を「これしかないですかね」と言いながら、手に持った色紙に『首位打者』と記した川端選手。1シーズン143試合を戦い抜き、初の首位打者を見事獲得したわけだが、それは当初の目標をつつがなく達成したというよりも、驚きにあふれたものとなった。

「目標としては掲げましたけど、本当に獲れるとは思ってなかったんで。首位打者になるくらい、シーズンを通して活躍したい、優勝に貢献したいという思いだったんですよね」と率直に語ってくれた。

　今シーズン10年目を迎え川端選手は、1年目から1軍でプレー。非凡なバットコントロールで将来を期待されながら、ケガに泣くことが多く、「ガラスのプリンス」と呼ばれたこともある。昨年も、ぎっくり腰で動くのさえ辛いほどの時期もありながらも、142試合に出場し、打率.305を記録した。

　今年はチームリーダーという要求も出てくるのでは？という問いに対し、
「まずはずっとグラウンドに立っていないと、チームリーダーとはいえないと思います。絶対に離脱しないようにしっかり戦いたいと思います」

　そのため今年は関東でだけでなく、関西での試合時もトレーナーに体をケアしてもらい、1年を通してコンディションを保つように試みた。川端選手も「神の手」と呼ぶほどのトレーナーの支えで、夏の厳しい季節も乗り越えることができた。バットやグラブをサポートするSSK担当者は「チームの好調もありましたが、昨年に比べ、今年の夏は表情も明るく、体が動いていたみたいですね」と語る。

■14年ぶりの優勝をファンと喜ぶ

「バッティングの調子が良かったのも、一番は体調ですよね。体調が良かったし、最後まで優勝争いをしていたことで、試合にも集中して臨めました」と語る川端選手は、優勝前の試合では、「1試合が5試合分くらい疲れました」と表現するぐらい、プレッシャーのかかった試合であった。

　14年ぶりの優勝となるヤクルトにとって、当時の優勝を経験した選手はいない。移籍組で見ても、今シーズン千葉ロッテから移籍した成瀬 善久が2010年、パ・リーグ2位ながら、日本一を経験しているが、リーグ優勝経験はないのだ。

　ヤクルト生え抜きの川端選手にとっては、初めての経験だ。ヤクルトは開幕10試合を5勝5敗と無難なスタートを切ったものの、5/4から5/16まで9連敗。最下位に沈んだ時期もあったが、オールスター戦後は3連敗のない安定した戦いで、9/13に単独首位となったまま大混戦のセ・リーグを逃げ切った。

　他球団とは違い、[stadium]神宮球場[/stadium]では室内練習場からクラブハウスへの移動時に、大勢のファンがいる場所を歩く必要がある。試合前の緊迫した時もあるが、「ファンを大事に」との思いから、川端選手はサインなどにも快く応じている。「『優勝したい』と思ってずっとやってきましたから、嬉しいですね。それに本拠地でやれて良かったです」と語る川端選手は、地元[stadium]神宮球場[/stadium]で一緒にファンとビールかけができたことを喜んだ。

　クライマックスシリーズのファイナルステージは10/14、[stadium]神宮球場[/stadium]でスタートする。まだ対戦相手は決まっていないが、今シーズン攻撃的な2番として活躍した川端選手が、日本シリーズへ向けて更なる飛躍を遂げてくれるに違いない。「バットに夢をのせ 放つその打球で ツバメを勝利へ 導け慎吾」。満員の[stadium]神宮球場[/stadium]で鳴り響く川端選手の応援歌が、今から聞こえてくるようだ。

■川端慎吾選手 プロフィール

1987(昭和62)年10月16日生まれ。大阪府出身。
身長185cm、体重86kg。右投げ左打ち、内野手。

　2006年高校生ドラフト3巡目で東京ヤクルトスワローズに入団。2011年に遊撃手のレギュラーに定着し、シーズン中盤からクリーンアップを任された。2013年から主に三塁手で出場。
2014年は、規定打席に到達し、打率.305を記録。今シーズンは、春先から好調をキープし、リーグトップの195安打を放ち、打率.336。初の首位打者を獲得。2001年以来となる14年ぶりのヤクルトスワローズの優勝に貢献した。

■ 独占インタビュー
東京ヤクルトスワローズ　川端 慎吾 選手