健大高崎vs松戸国際
勝負は初回！健大高崎が試合の主導権を握り、4強入り
植谷（松戸国際）
この試合の焦点は松戸国際の植谷 翔磨（2年）がどこまで健大高崎打線を封じ込めるかであった。逆にいえば健大高崎は立ち上がりがあまりよくない植谷の隙をついて、いかに早く先制点を取るかであった。
県大会の戦いを見れば、専大松戸相手に延長戦を制し、準決勝の千葉黎明戦では、0対0の投手戦となり、7回裏に3点を先制し、完封勝利と、後半での戦いに自信を持っており、序盤は最少失点に切り抜け、後半勝負と踏んでいたが、健大高崎が植谷の立ち上がりをついて、試合の主導権を握り、試合をモノにした。
1回表、1番春日 優馬（2年）の安打、2番林 賢弥（2年）の安打、3番柘植 世那（2年）の犠打で一死二、三塁とすると、4番柴引良介（2年）の死球で、一死満塁からチャンスを作り、5番大島 匡平（2年）の2点適時打で2点を先制。さらに6番佐藤 望（2年）の適時打、7番高橋 翔大（1年）の当たりは野選となり、4対0。ここから打者一巡して、1番春日が適時三塁打を放ち、二者生還し、一気に6点を先制する。
さらに4回表にも一死三塁から2番林の右越え適時二塁打を放ちで1点を追加。さらに林はバッテリーミスで三塁へ進塁し、4番柴引の適時打で1点を追加し、8対0とする。4回裏にはミスが絡み、3点を失うが、5回表には健大高崎の足攻を見せる。二死二塁から9番川井が中前安打で二死一、三塁のチャンスを作った。1番春日の場面で、まず川井 智也（2年）がスタートを切り、そして三塁走者の佐藤が隙をついて、本塁へ生還。9対3と差を広げた。
完投勝利を挙げた川井（健大高崎）
あとはいかに27個のアウトを築き、勝利にするかである。健大高崎の川井はコーナーを突く投球で、打たせて取り、アウトを積み重ねる。7回裏に9番今吉翼（1年）に適時打を打たれ、さらに9回裏にも、無死二、三塁のピンチを招いたが、焦らずにアウトを1つずつ積み重ねるだけであった。8番天野 勇介（2年）の内野ゴロ、9番今吉の犠飛で9対6と3点差に迫られるが、逃げ切り、健大高崎がベスト4進出を果たした。
結果的に4回、5回の追加点がなければ同点に追いつかれていただけに、実に意味のある追加点だった。今年の健大高崎はオフェンス面が全面に出たチームで、まだ旧チームの1番平山 敦規のような超俊足はいないが、右、左に打ち分け4安打を放った春日、実戦経験豊富な柘植、柴引などの右の強打者が揃っており、後を打つ選手の打撃力も高い。
千葉県では抜群の安定感を示した植谷から15安打9得点を奪ったのは、大きな衝撃であった。
目指すは関東制覇。関東大会のために練習を付き合い、またこの日も応援に参加していた3年生のためにも、機動破壊を存分に発揮する。
（文＝河嶋宗一）
