試合レポート

八戸学院光星vs山形城北

2014.10.25

八戸学院光星が貫禄勝ち

八戸学院光星vs山形城北 | 高校野球ドットコム

3回、右翼適時打を放った加角翔太(八戸学院光星)

 昨年の優勝校で、7年連続出場となる八戸学院光星と、5年ぶりの出場となる山形城北が対戦した。

 八戸学院光星・仲井宗基監督と山形城北・増井文夫監督は、ともに大阪・桜宮高校出身。増井監督が先輩で、仲井監督が後輩の“同門対決”は、全国経験豊富な後輩に軍配が上がった。

 八戸学院光星が先制パンチを食らわせた。1回裏、1番・新井勝寛がカウント3―2から左翼へ先頭打者ホームラン。3回には、1死2塁から2番・加角翔太がライトへタイムリーを放って追加点を奪った。

 八戸学院光星の先発はエース・中川優。夏もエースナンバーを背負った、経験値の高い制球力のある投手だ。初回に1死から連打を浴びたり、3回には1死から満塁を作られたりしたが、要所を締めた。
7回には、この回、先頭の上松野聖に二塁打を許し、1番・矢口颯のセンター前ヒットで1点を失ったが、仲井監督は
「中川は持ち味の粘り強さを出してくれた。守りでエラーもあったが、ここという場面は守ってくれた。ウチらしさが出てよかった」と話した。

 八戸学院光星(2013年4月光星学院から校名変更)と言えば、2011年、12年と甲子園で3季連続決勝に進出したチームだ。当時は、田村龍弘(現ロッテ)、北條史也(現阪神)といった好打者がズラリと並んでおり、「打の光星」として注目を浴びた。試合を作れる投手も2人いて、投打にバランスが取れていた。

 ピッチャーが抑えて、打って、打って、得点を重ねるスタイルだったが、選手が変わればチームカラーも変わる。
仲井監督は大会前、「今のチームはそんなに打てない。ランナー一塁は送りバントをする」と話していた。


八戸学院光星vs山形城北 | 高校野球ドットコム

完投した中川優(八戸学院光星)

 この日、先頭打者本塁打が飛び出すなど、やはり、「打の光星」の印象はあるが、「打つイメージが付いているけど、今年はそんなに打たないですよ」と報道陣の笑いを誘った。
そして、「選手たちには『守り勝つ野球』と言い聞かせている。でも、守ってばかりいては勝てないので、少ないチャンスを活かしていきたい」と続けた。

 一方、山形城北は中川に要所を締められた。ヒット数は八戸学院光星が7本だったが、山形城北は6本。
「打線になっていない。つながりがほしかった。エンドランをかけたりしたが、ランナーが進んだだけの状況だった」と増井監督が振り返れば、上松野主将も「チーム内で『(中川のボールが)浮いている』など、話していたが、チャンスであと1本が出なかった」と唇を噛んだ。

 東北大会出場が決まってからは守備と走塁に力を入れてきた。守備では、1人100球ノックや1人1時間のノックなどで数を受け、現チームは足の速い選手がそろっているため、それを活かして先の塁を狙う姿勢を磨いてきた。しかし、相手の方が一枚上。

「(八戸学院光星は)大舞台を経験しているだけあって、ピンチでも落ち着いていた」と増井監督。山形城北としては、東北大会の経験を、今後に活かしていきたいところだ。

(文=高橋 昌江

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在28地区が決定、長野では松商学園がノーシードに

2024.05.11

【2024年最新版 スーパー中学生リスト】 関東地区の強豪校注目の遊撃手、高校スカウト殺到の大型左腕、中村剛也の長男など38人をピックアップ

2024.05.11

名門・東海大相模の進路紹介!プロ注目打者は東洋大、エースは中央大で早くもリーグ戦に出場!

2024.05.11

【新潟】プロ注目右腕の帝京長岡・茨木が完封、日本文理とともに決勝進出<春季県大会>

2024.05.11

シニア日本代表が発表!選抜大会準優勝の主力打者、ベスト4の主将、優秀選手などが選出!

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在28地区が決定、長野では松商学園がノーシードに

2024.05.06

センバツV・健大高崎は夏も強い! Wエース抜きで県大会優勝、投打に新戦力が台頭中!

2024.05.06

【関東】山梨学院と常総学院がそれぞれ優勝、出場校の対戦が確定<春季大会>

2024.05.06

【春季埼玉県大会】花咲徳栄4回に一挙10得点!20得点を奪った花咲徳栄が昌平を破り優勝!

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.21

【兵庫】須磨翔風がコールドで8強入り<春季県大会>