試合レポート

都立桜町vs学芸大国際

2014.07.07

都立桜町、大量32得点!学芸大国際を下し、3回戦へ!

 [stadium]立川市立川公園野球場[/stadium]で行われた西東京大会2日目。第3試合は2回戦、学芸大国際都立桜町の対戦は、照り付ける日差しもやや雲に隠れて和らいだ中行われた。

 1回表、この夏、ベンチ入りメンバー10人で挑んだ学芸大国際が魅せる。先頭の岡崎 智樹がレフトへのヒットで出塁。続く2番・大野 将太郎の内野ゴロで走者が入れ替わり、3番・渡辺 望希がエラーで出塁。この機に乗じ大野は三盗を狙うが、これは阻止され、二死一塁に。すると今度は渡辺が盗塁で二塁へ。二死二塁とすると、続く4番・沖野 有祐がセンターへ弾き返す。二塁走者の渡辺は迷わずホームへ。都立桜町はセンター・菅野 智宏、ショート・瀬元 一彰、キャッチャー・永江 武陽とつなぎ、渡辺は本塁でアウトに。学芸大国際は惜しくも先制はならなかったが、アグレッシブな攻撃を見せた。

 スタンドに詰めかけた桜色の応援団に応えるためにも黙っていられない都立桜町はその裏、先頭の村上 翔が四球を選び出塁。2番・瀬元 一彰がヒットで続き、3番・菅野 智宏が送り一死二、三塁。続く4番・中村 健太郎がライトへ犠牲フライを放ち、都立桜町が早々に先制を果たす。

 2回裏には二死から8番・永江 武陽、9番・曽根 信爾が連続で四球を選び、都立桜町が再びチャンスを作り出す。打順は1番に返り村上 翔。三塁線を鋭く破るタイムリーツーベースで1点を追加。するとこの村上のタイムリーを皮切りに、4連打。二死から5点を挙げ一気に試合の流れを引き寄せる。

 3回、先頭の6番・高橋 利幸が四球を選ぶと、7番・内藤 颯一が左中間を破るタイムリースリーベースを放ちあっさりと追加点を奪う。だがこの1点は序章に過ぎなかった。
続く8番・永江 武陽は手堅くスクイズを決めると2連続死球の後、2番・瀬元 一彰、3番・菅野 智宏には連続タイムリーが飛び出す。
その後も攻撃は止まらない。早々の大量リードに打撃はどんどん積極的に、裏を返せば雑にもなりがちだが、この日の都立桜町は、しっかりと冷静に四球を選び甘い球を確実に安打にしていく。3番・菅野 智宏には左中間を深々と破るランニングホームランも飛び出した。この回、実に打者17人、長短交えた7安打で14得点を挙げた都立桜町。続く4回にも6連打を含む11安打で12点。3回に引き続き二桁得点を挙げ、攻撃力の高さを見せつけた。


 4回終了時点で32対0と大きく水をあけられた学芸大国際。それでも何とか1点を返していこうという気迫は失ってはいなかった。5回表、先頭の5番・梶田 孝太郎がレフトへのスリーベースで出塁すると、6番・河合 優悟は四球を選んで続く。7番・平岩 侑高の気持ちの乗った強い打球はサードのグラブを弾き、エラーを誘いまず1点を返す。8番・伊集院 ひろきが送った後、9番・丹羽 秀成が放った打球はレフトへの2点タイムリーツーベース。さらに2点を追加する。さらにエラーの間に1点を返した学芸大国際だったが、反撃もここまで。32対4で都立桜町が2回戦へと駒を進めた。

 大量失点にも前を向き続けた学芸大国際。10人で挑んだ夏は終わりを告げたが、そのうち7名が1,2年生。また次へ向けて新たな戦いを始めることだろう。その時に、この試合の初回で見せた積極性と、終盤での粘りの記憶はきっと役に立つはずだ。

 一方、記録的な大量得点で勝利を収めた都立桜町だったが、先発メンバーからほぼ入れ替えての5回は打って変わって精彩を欠いた。これから夏を戦い抜くには、ベンチ入りの選手の力も、最後のアウトを取るまでの気迫も必要不可欠。大量得点も、次への課題も垣間見えた試合となった。その都立桜町、次回は7月14日、成蹊都立府中東の勝者と、同じく[stadium]立川市立川公園野球場[/stadium]で対戦する。

(文=青木有実子

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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