都立立川vs都立清瀬
我慢比べから一気の攻勢!都立立川、代表決定戦へ
6回からマウンドに上がった松本(都立立川)
先週から始まり熱戦が繰り広げられている春季東京都高等学校野球大会一次予選。3連休初日の3月21日。[stadium]岩倉高校西東京運動場[/stadium]では第6ブロック2回戦、都立立川と都立清瀬の試合が行われた。
はじめにチャンスを作ったのは都立立川。1番の倉田が出塁。2番の松尾がキッチリと送りバントを決め、一死二塁。倉田は続けて三盗を狙うも、都立清瀬の捕手・白石が三塁へ見事な送球を見せ、アウト。このまますんなり終わるかと思われたが、二死から3番・永野がヒットで出塁すると、4番・岩浪、5番・荒井と連続で四球を選び、二死満塁のチャンスを作る。しかし続く打者がショートゴロに倒れこの回に得点ならず。都立立川は続く2回、3回とランナーを三塁まで進めるも、ホームが遠く、なかなか得点をすることが出来ない。
対する都立清瀬は2回、一死から6番・町田が二塁打で出塁。二死となった後、8番・白石もヒットで続き町田を三塁まで進めるも、こちらも得点ならず。お互いあと一本が出ない展開で、我慢比べが続いた。
そんな中、先制したのは都立清瀬。この回先頭の8番・白石がレフトへのヒットで出塁。
エラーと1番横澤のヒットで無死満塁とすると、続く2番富田の当たりはライトへ。これが犠牲フライには充分な打球となり、都立清瀬が1点を先制する。なおも一死一、三塁と追加点のチャンスだったが、続く打者がダブルプレーに倒れ、1点に留まった。
1点を追う都立立川は6回裏、一死から6番・高橋が出塁。続く佐藤将がバントを試みる。打球は投手と一塁手の間を転がり、これがセーフティバントとなり、一死一、二塁。続く小杉もエラーで出塁。一死満塁と逆転のチャンスを得る。そして打席には、6回表からマウンドに上がっている背番号1・松本。その松本の打球は、ボテボテの内野ゴロ。しかし前の日までの雨で足元が不安定な中、都立清瀬内野陣はダブルプレーを狙いに行ったが、一塁への送球が大きく逸れてしまう。その間にランナー2人が生還。都立清瀬守備陣に乱れが出たこの回、その隙を見逃さず都立立川が2点をあげ逆転に成功した。
粘りの投球を見せた阿曽(都立清瀬)
さらに7回裏、1回戦をコールドで勝ち上がってきた都立立川打線が再び牙をむく。この回先頭の2番・松尾がヒットで出塁。3番・永野が四球を選び、さらに4番・岩浪がヒットで出塁し、無死満塁。ここで5番・荒井が放った打球は大きくレフトへ。球がフェンス際を転がる間に結局、走者一掃の3点タイムリー三塁打となり、この回3点を追加。都立清瀬を一気に突き放した。
「序盤はあと1本が出なかったし、結果は6対1と5点差が付きましたけど、それを感じられない緊張感でした。都立清瀬の先発、エースの選手(阿曽)は練習試合でも打てなかったり、ちょっと苦手意識もありましたし、大きなサインミスも出てしまいましたし…」
と試合後に都立立川監督が振り返るように、まだまだ強くなれる素質をもったチーム。7回に3点を挙げた後、無死三塁からややちぐはぐなプレーが続いてしまい得点が出来なかったのは、課題として修正したいところだ。
「まずは次も勝って都大会に出ること。そして、少しでも長く野球をすることですね。」
2006年の春季大会を最後に都大会に出ていないという都立立川。その悲願の大会出場をかけた戦いは、22日、[stadium]岩倉高校西東京運動場[/stadium]で都立上水を相手に行われる。
(文=青木 有実子)