Column

風邪とインフルエンザ対策

2014.01.15

 こんにちは、アスレティックトレーナーの西村典子です。

 遅くなりましたが、新年あけましておめでとうございます。
 2014年も皆さんの現場にお役に立てるコラムをお届けしたいと思います。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 さて2014年最初のコラムは、この時期に流行する代表的な感染症である「風邪」「インフルエンザ」に関する知識と予防法、対策などをまとめてみたいと思います。体調不良が続いては練習にも支障が出ますし、今まで積み上げていたトレーニングの土台にも影響が出ることが考えられます。そして何よりこうした感染症は他人にうつしてしまう危険性があります。

 チームで活動する選手の皆さんにとって、誰かにうつしてしまうのも、誰かからうつされるのも避けたいところ。しっかりと対策をとり、感染症に負けない毎日を過ごしましょう。

 【インフルエンザとは】
 インフルエンザは感染力が強く、日本では毎年約1千万人(約10人に1人)が感染しています。インフルエンザはインフルエンザウイルスによって感染し、1~3日間の潜伏期間を経て突然発症します。
 インフルエンザウイルスはその年によって流行がありますが、大流行の原因となりやすいのはA型、B型と呼ばれるウイルスです。急に38℃以上の高熱を出した場合などはインフルエンザの感染を疑いましょう。

 【風邪とインフルエンザの症状の違い】
 風邪とインフルエンザの症状の違いをまとめておきます(図1)。
 風邪は主に上気道と呼ばれる鼻から喉にかけての部位に症状が出ますが、インフルエンザはこれに加えて体のだるさ(全身倦怠感)、関節痛、筋肉痛など全身に症状がみられます。また感染してから急激に症状が悪化することも大きな特徴の一つです。


手洗いは洗剤を使い、指先まで丁寧に洗おう

 【感染経路は大きく2つ】
 ●飛沫(ひまつ)感染・・・咳やクシャミなどからウイルスが体内に侵入する
 ●接触感染・・・ウイルスが付着したものに触れ、その手で鼻や口をさわってウイルスが体内に侵入する

 どちらの感染経路も、外出先から帰宅したときの「うがい・手洗い」を習慣化することで、ある程度予防することが可能です。
 以前のコラム「感染症に気をつけよう」でも書きましたが、うがい・手洗いの方法を再確認しておきましょう。

 【うがい・手洗いの方法】
 ・うがいは上を向いて喉の奥を洗うようにガラガラガラと行い、10数えて吐き出します。これをもう一度行いましょう。
 ・手洗いは石けんを使い、手のひらだけではなく、手の甲、指の間、指先と爪の間、親指の付け根、そして最後に手首を洗います。

 こうした「うがい・手洗い」の習慣は、練習が終わってグランドから室内に入るとき、ぜひチーム全体で取り組んでください。うがい液を使わなくても水で十分効果があると言われています(参考書籍:「体を壊す13の医薬品・生活用品・化粧品」)。

 【インフルエンザ予防接種は効果あり?】
 インフルエンザ対策の一つとして予防接種をしている選手・チームがあるかもしれませんね。予防接種を受けるとインフルエンザが発症する可能性を減らし、もし発症したとしても重い症状にならないと言われています。ただしワクチンの効果が持続するのは接種後3週間~およそ5ヶ月程度であり、流行するウイルスもその年ごとに変化しますので、毎年定期的に接種することが望まれます。

 風邪やインフルエンザといった感染症予防のためには、体の免疫力を下げない工夫も必要です。疲労をなるべく翌日に持ち越さないよう、しっかりとバランスの取れた食事をとり、十分な睡眠時間を確保して過ごすようにしましょう。また感染力が強いので、人が多く集まる場所ではマスクを着用してウイルスの侵入を防ぐとともに、他人にうつさない配慮を行うようにしましょう。

 【風邪とインフルエンザ対策】
 ●インフルエンザはウイルスによって感染する。日本では毎年約1千万人(約10人に1人)が感染する
 ●風邪は上気道症状、インフルエンザは全身症状が出やすい
 ●感染経路は飛沫(ひまつ)感染と、ウイルスの付着したものから体内に侵入する接触感染がある
 ●うがい・手洗いは習慣化しよう。水でガラガラうがいも十分効果あり
 ●インフルエンザの予防接種はその効果が接種後3週間~5ヶ月程度

 (文=西村 典子

次回、第85回公開は1月30日を予定しております。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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