試合レポート

光星学院vs東洋大姫路

2011.08.18

エース対決に勝つ

 光星学院東洋大姫路
この試合は、両校のエース対決に注目が注がれた。
東洋大姫路原樹理
光星学院秋田教良
今大会屈指の好投手の投げ合いは、ロースコアの投手戦となった。

1回表、光星学院の攻撃。
1番澤がいきなりストレートを捉え右中間を破る三塁打。無死三塁のピンチに立たされたが、2番天久をカウント2-2と追い込んで縦のスライダーで空振り三振。そして3番川上竜平も縦のスライダーで空振り三振。4番田村はライトフライ。鋭いライナー性の当たりであったが、ライトのポジショニングが良かった。

その裏、東洋大姫路の攻撃。
1番中島がライト前ヒットで出塁。2番林はバントを試み、捕手が二塁へ送球し、フィルダースチョイスでランナーの中島がアウト。その後、無死1、2塁のチャンスを作ったが、3番坪田のバントが秋田の正面に転がり、秋田は三塁へ送球。1-5-3でダブルプレーを成功させ東洋大姫路のチャンスの芽を潰す。さらに4番増田を139キロのストレートで空振り三振。
両投手とも立ち上がりにランナーを出すものの、無失点で切り抜けた。

そして東洋大姫路の原は2イニング目は、2三振を奪い自分のリズムを掴んでいく。
対する光星学院の秋田は二回に無死1、2塁のピンチを迎える。家入が送り、一死2,3塁で原を迎える。原はスクイズを仕掛けるが、打ち上げて捕手フライ。ダブルプレー。またも東洋大姫路はチャンスを生かしきれない。

試合が動いたのは、3回の裏、東洋大姫路は中河がセンター前ヒットで出塁。バント・進塁打で二死3塁となって3番坪田。坪田は四球で歩き、二死1、3塁となって4番増田のセンター前タイムリーで待望の1点を先制。

一方、ここまで快調な投球を続けていた原だが、5回表につかまる。
7番岸本はレフト前ヒットで出塁すると、8番松本がバントで送り、一死2塁。9番秋田がライト前ヒットを放ち、一死1、3塁。1番澤はショートゴロ。併殺を狙うが、間に合わず。併殺崩れの間に1点を返し、同点に追いついた東洋大姫路


 そして迎えた7回表、光星学院の先頭・北條がセンター前ヒットを放つと、6番金山がバントを試みるも打ち上げてワンアウト。続く7番岸本がセーフティバント。三塁手前に転がり、サードが処理するが間に合わずセーフ。終盤にきて、一死1、2塁の大きなチャンスをつくる。ここで原は「粘れなかった」と、8番松本の打席で、カウント2‐1からパスボールにより一死2、3塁に。さらに松本のショートゴロの間に、ショートはホームに投げることが出来ず、3塁ランナーがホームに生還。光星学院が勝ち越しに成功する。
原は気持ちを切り替え、後続の打者を抑えこんだが、秋田が中盤以降に崩れることはなかった。
イニングを重ねるごとに、スリークォーター気味のフォームから投じる140キロ台の速球がアウトローにコントロール良く決まる。
変化球も絶妙にコントロールされていた。

この7回の光星学院の奪った2得点目が決勝点となり、原との好投手対決は、秋田が勝った。
原は9回を投げて被安打5奪三振6四死球4失点2。
秋田は9回を投げて被安打8奪三振3四死球2失点1。
両投手の成績に大きな差はないが、少ないチャンスをモノにした光星学院の攻撃が僅かに上回った。
とはいえ、兵庫大会決勝戦、決勝再試合の2試合を1人で投げ抜き、さらには甲子園ベスト8まで導いた原の力投は見事だった。
その原を擁する東洋大姫路を破った光星学院は、2000年以来のベスト4入りを果たしたが、あくまで目標は全国制覇だ。

(文=河嶋宗一)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.06

大阪桐蔭が選抜ベスト8の阿南光ら4チームと対戦!<招待試合>

2024.06.06

大阪桐蔭&履正社撃破の原動力! 超高校級遊撃手・今坂 幸暉(大阪学院大高)のドラフト指名はあるのか!?<高校野球ドットコム注目選手ファイル・ コム注>

2024.06.06

【佐賀】敬徳は唐津東と唐津南の勝者と対戦<西北部地区大会>

2024.06.07

【夏の甲子園地方大会抽選日&開幕日一覧・北信越地区】新潟で21日に抽選会、7月5日の富山で組み合わせが出揃う

2024.06.07

【夏の甲子園地方大会抽選日&開幕日一覧・近畿地区】近畿一番乗りの抽選は17日の大阪、4府県が7月6日に開幕

2024.06.01

大阪桐蔭、山梨学院、慶應義塾…強豪校・名門校の昨年度卒業生はどの進路を歩んだのか?【卒業生進路一覧】

2024.06.04

神村、鹿実の壁を破れ! 国分中央は「全力疾走・最大発声・真剣勝負」で鹿児島の頂点を狙う

2024.06.01

【愛知】報徳学園は豊橋中央にサヨナラ勝ち、豊川には黒星<招待試合>

2024.06.01

【東京六大学】早稲田大が大勝で7季ぶり優勝に大手!プロ注目スラッガー・吉納が2発、エース伊藤は8回1失点の快投見せる!

2024.06.01

報徳学園の今朝丸がセンバツ決勝戦以来の先発!モイセエフは3番センターでスタメン出場!【招待試合スタメン】

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉