上戸鎖飛龍(花巻東)の猛チャージ!スクイズ封じ見事に決まる
第90回記念選抜高等学校野球大会9日目は4試合が行われました。その中から第2試合、花巻東が見せたスクイズ封じを取り上げます。
投手戦で0行進が続く展開。特に花巻東は彦根東の増居翔太投手からヒットすら打つことができませんでした。
そんな中で、今回の場面は6回表の彦根東の攻撃です。彦根東はヒットと送りバント、それに花巻東バッテリーのワイルドピッチで1アウト三塁という局面ができました。
ここで打席に立ったのが2番・今井怜央選手。1ボール1ストライクからの3球目に今井選手がスクイズを仕掛けます。この動きに反応した花巻東のファースト・上戸鎖飛龍選手は猛チャージし、今井選手の打球は一塁前へ転がりました。打球を処理した上戸鎖選手は、ちょうど目の前にいた今井選手にタッグ(タッチ)し、本塁へ送球。彦根東の三塁走者・永井結登選手は三本間に挟まれて、アウト(守備側の選手にぶつかったため、記録は走者の守備妨害)になりました。
試合後、彦根東サイドを取材すると、スクイズを完全に見破られていたのではという声が聞かれ、完璧に封じられた悔しさを話していました。
その前に、花巻東の上戸鎖選手にも話を聞きました。サインを含めて完全に見破っていたわけではないと明かした上で、「佐々木洋監督と目が合い、アイコンタクトでいきました。完璧に決まったと思います」。打者走者にタッグしたことでダブルプレーにできたことも、狙ったものではなく、結果的にラッキーだったそうです。
もちろん、ダブルプレーを狙う練習もしていて、「打者がスイングに切り替えて抜かれたことなど、今まで練習や試合で失敗はたくさんあります」と話してくれました。
結果論ですが、この場面がダブルプレーになったことで彦根東は得点機を逃したと言えます。もし、スクイズが封じられて三塁走者がアウトになったとしても、2アウト一塁の局面になり攻撃が続いたならばどうなったかはわかりません。チェンジにできたことが全てだったと言えるでしょう。
大会第9日の結果です。今大会では主演である選手と同じく、グラウンドで試合を作る共演者と言うべきジャッジをする審判の方と一緒に紹介しています。
今日は大会第10日。準々決勝が行われます。楽しみなカードばかりです。
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(文:松倉雄太)