優勝した侍ジャパンU-18代表が記者会見開催!小枝監督が語る代表選手の素晴らしいところは?
左から今井達也(作新学院)選手、小枝守監督、小池 航貴(木更津総合)選手
侍ジャパンU-18 記者会見開催!
9月5日、アジア選手権で優勝した侍ジャパンU-18代表は羽田空港内のホテルにて優勝会見を行った。記者会見に現れた小枝守監督、主将の小池航貴選手(木更津総合)、今井達也選手(作新学院)の3人が今大会を振り返った。
小枝守監督は、優勝できた要因として「6試合でわずかに1点しか取られなかった投手力、バッテリーはもちろんですが、守り勝つ野球と掲げて、最後まで彼らは守りで墓穴を掘ることがなかったのは大きいと思います」と守り勝つ野球を貫けたことを勝因に挙げた。
また優勝まで道のりを振り返り、韓国、台湾、中国についても、「我々と同じ投手を中心とした守り勝つ野球を掲げ、さらに足も速い選手が多く、チャンスメイクする選手はしっかりとつないで、そしてクリーンナップを打つ選手はしっかりと振る。共通点が多いと思いました。もう少し守備力を落ちるかなと思ったのですが、守備力も高く、かなり苦しんだ試合が多かったと思います」と大会を振り返った。
それでも持ちこたえた投手陣については
「それは『三重丸』を付けて良いのではないかというぐらい素晴らしかったです」と独特の表現で投手陣を称えた。
主将の小池選手は、「自分があまり出場することはなかったのですが、それでも影で準備をしてきました。そこでベンチ入り選手の大事さも分かっていろいろと学ぶことがありました。代表をやってきて、侍ジャパンを背負う大変さと言うのが分かりました」と初めての代表入りにいろいろと感じるところがあったようだ。
今井選手は「なかなか自分のピッチングができずに苦しんだところはありましたし、台湾の舞台では相手の声援も素晴らしく、アウェーの中で投げた経験も今までの野球人生の中で大きかったと思います。そしてこの経験を生かして将来は日本を代表する投手になっていきたいと思います」と意気込みを語った。
今回の代表選手の注目度は優勝により一層高まり、この日、羽田空港の入場ゲートでは14時ぐらいから、侍ジャパンU-18代表の到着を待つファンがいた。そして18時頃にナインが到着すると、ファンが選手たちへ労いの声を送っていた。
そんな彼らに憧れを抱く高校1年、2年生は多い。小枝監督に、3年生の何を見習ってほしいのかと伺うと、
「まずこの場にいる2人についてお話をしたいと思います。
主将の小池君ですが、彼は木更津総合の時は試合に出場に出ることが多かったのですが、今回、脇役に回るケースが多く、日陰の立場となった。それでも彼に主将を任せることができたのは、やはり私と彼の信頼関係と彼自身に責任感があったこと。
彼は寡黙な男ですので、言葉で表現するタイプではなく、行動で表現するタイプです。彼は目立たないところでも自分にやるべきことをこなす選手で、裏表のないところを持った選手であり、リーダーであり、そこは後輩たちも見習ってほしい選手だと思います」
小池選手の主将として仕事ぶりを評価した。
そして今井投手については
「今井君については、これだけ騒がれている投手ですが、それは台湾でも彼の人気は凄かったのですが、自分のペースを乱さないですし、浮足立つことなかった選手です。
台湾の投球では合格点与えられるものではなかったのですが、なので、試合中に私は監督として最低限の指導をしたのですが、彼はきっちりと修正をしてくれて、ゲームを作ってくれました。そこから考えられるのは、1つの指導で修正できる対応力の高さ、柔軟な発想、そしてどんなに騒がれようと、崩すことがない真面目な練習態度。そこはぜひ後輩たちは見習ってほしいとおもいます」
2人の素晴らしさを語っていただいた小枝監督。小枝監督は代表選手としての品格を常に選手たちに求めてきたようだ。それは技術よりも大事な部分である。日本代表が苦しい試合展開を制することができたのは、どんなことがあっても崩れない人間的な逞しさがあったからではないだろうか。
そして小枝監督は来年の第27回WBSCワールドカップの指揮も執る。最後に来年へ向けての構想を聞かれると、
「振り出しに戻ったので、現時点では何もいえません。ただ1つ言えるのは今回の投手陣は簡単に出来上がるものではなく、二度と構成できないのでは?と思うぐらい素晴らしい顔ぶれでした。来年の世代も、この世代に匹敵するような投手が1人でも多く現れてほしいと思います」と来年もこの世代に並ぶ投手陣が出てくることを期待していた。