【春季京都大会】新主将・藤本率いる京都国際が快勝 !期待の1年生もデビュー!
<令和6年度春季京都府高等学校野球大会:京都成章1-7京都国際>◇4日◇2次戦1回戦◇太陽が丘球場
今春の甲子園に出場した京都国際が快勝。8強入りして夏のシード権を獲得した。
京都国際はセンバツで青森山田に敗れた後に中崎 琉生(3年)から藤本 陽毅(3年)に主将を交代。投手である中崎の負担を減らし、野手のリーダー格である藤本に自覚を促すために小牧憲継監督が決断したという。
「藤本はさらに自覚が出てきて、中崎もやらないといけないプレッシャーから解放されて、逆に周りが見られるようになってきた」と小牧監督が話すように主将交代はプラスに働いている。主将になって初となる公式戦に3番遊撃で出場した藤本はプレーでも存在感を発揮した。
1回裏の第1打席では右中間を破る二塁打で出塁。押し出し四球で1点を先制した直後の3回裏には無死満塁からライトフェンス際まで飛ばす犠飛を放ち、大きな追加点をもたらした。その後は2打席連続の申告故意四球を含む3四球と勝負してもらえなかったが、守備で機敏な動きを見せて、攻守でチームを引っ張った。
投手陣はエースの中崎ではなく、2年生左腕の西村 一毅が先発。総力戦になる夏を見据え、2番手以降の投手に経験を積ませるために小牧監督はあえて抜擢した。
その西村は伸びのあるストレートや相手打者のタイミングを外すチェンジアップなどを駆使して8回1失点の好投。6回表に4番の尾崎 蒼真(3年)にソロ本塁打を浴びたが、次につながる投球だった。
7対1と6点リードした8回裏には代打で1年生の小川 礼斗が登場。その手には木製バットが握られていた。「しなりが使えて振りやすい」という理由から木製バットを使い続けており、小牧監督によると、練習試合では3安打以上打ったこともあるという。しかし、「気持ちは大丈夫でしたが、体がガチガチで最後は振れなかったです」と公式戦デビューは見逃し三振とほろ苦いものになった。
小川は福井県にある福井嶺北リトルシニア出身で、右投左打の外野手。同じ福井県出身の清水 詩太(2年)がいることもあり、京都国際に進学を決めたそうだ。「1年生からレギュラーになって、全国制覇したいです」と意気込んでおり、これからレギュラー争いに食い込んでくるかもしれない。
9回表は同じく2年生左腕の鳥羽 真生が無失点に抑えて勝利。新戦力を起用しながらも小牧監督の母校である京都成章に完勝した。
主将として初めての公式戦を振り返り、「楽しいですね。自分が引っ張っているチームと考えたら、より面白さが出てくるかなと思います」と声を弾ませた藤本。京都でもトップクラスの戦力を誇る京都国際だが、主将交代に成功して組織力もさらに高まっていきそうだ。
夏のシード権獲得はあくまでも通過点。春の京都の頂点を目指して、次戦以降も一戦必勝で戦っていく。