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甲子園最速記録保持者・佐藤由規の最後の夏は大記録とともに去っていった

2019.08.20

甲子園最速記録保持者・佐藤由規の最後の夏は大記録とともに去っていった | 高校野球ドットコム
仙台育英時代の佐藤由規

 これまで甲子園で数々の名試合を残してきた仙台育英。2015年にも佐藤世那投手を中心に準優勝するなど全国的にも有名な名門校だ。同校のOBには豪速球を誇り、大注目を浴びた佐藤由規投手がいる。今回は佐藤由規投手の夏を振り返る。

 佐藤は中学1年生の夏、仙台東リーグの投手としてリトルリーグの世界大会を経験。しかもロシア戦ではノーヒット・ノーランを達成するなどの活躍でチームの準優勝に大きく貢献。その後、佐藤は地元・宮城の名門校、仙台育英の門を叩いた。

 入学当初の佐藤は120キロ後半の球速だったが、一冬を超えると最速140キロまで急成長。2年生の春季東北大会では初めてエースナンバーを背負った。すると2006年の夏もエースとして東北との決勝再試合などを制して甲子園へ。2回戦の日大山形戦に敗れるものの、次へつながる1年を過ごす。

 選抜にも出場した佐藤は3年となり迎えた2007年の夏。甲子園まで勝ち進んだチームは1回戦の智辯和歌山戦を4対2で勝利。佐藤も17奪三振という快投で弾みをつけた。そして続く2回戦では奈良の名門・智弁学園との試合でその時は訪れた。4回裏、智辯学園2番・稲森翔大への4球目に投じたストレートが155キロを計測。この1球が甲子園史上最速となり、甲子園は歴史的瞬間にざわめいた。

 今もなお敗れていない大記録を作った佐藤だったが、試合には2対5で敗れてしまい高校野球はここで幕を閉じた。

 その後、中田翔大阪桐蔭)や唐川侑己成田)と共に「高校BIG3」とも言われ、注目された佐藤はドラフト会議で地元球団の東北楽天ゴールデンイーグルスのほか、東京ヤクルトスワローズ、横浜ベイスターズ、中日ドラゴンズ、読売ジャイアンツの5球団から1位指名。5球団競合による抽選の末に、ヤクルトへ入団。2010年には161キロを計測するなどプロでもその快速球は発揮され、記憶に残る投球を見せている。

 しかし2011年の起こした右肩の故障などに苦しみ、これまで思い通りの結果は出せていない。だが、現在は楽天に移籍。今後輝きを取り戻し、再び、佐藤由規の名前を聞くことに期待したい。

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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