宮内 和也選手 (習志野)

宮内 和也

球歴:習志野

都道府県:千葉

ポジション:遊擊手

投打:右 / 右

身長:171.0 cm

体重:68.0 kg

学年:卒業

寸評

 今年出場したショートの中で甲子園のファンを一番魅了したのは習志野宮内 和也であろう。1年秋から見てきた私にとっては彼のプレーには驚かされるものばかりであった。2打席連続本塁打、逆シングルで捕球してジャンピングスローと高校生離れしたパフォーマンスを見せてきて、山下斐紹に匹敵する華がある選手だった。だが2年夏はムラがある内容で思うような成績は残すことはできなかったが、今春~甲子園にかけてムラが少なくなり、安定してパフォーマンスを発揮できるプレイヤーになった。今後の進路も気になる宮内和也を総括したい。 (打撃)  スタンスはスクエアスタンス。昨年と変わったのはグリップの位置。昨年はかなり高い位置に置いていたが、今年は肩に添えるぐらいの位置に落としている。投手の足を降ろしたところから始動を仕掛けていき、足を回しこむように上げていき、「間」を取ることができている。トップを早い段階で作ることができており、グリップが頭の後ろに移動せず、捕手側方向にひくことができている。 ヘッドがやや下がり気味のスイング軌道になっているのは気になるが、来たボールに対してしっかりと引きつけて、体の近くで捌いてボールを打ち返している。肘の畳み方と股関節の柔軟性が優れ、肘をしっかりと畳んでインサイドを打ち返すことはできているし、低めの変化球にはリストワークを活かして長打にすることができている。ファールでしっかりと粘ることはできているし、どんな投手に対しても簡単に死なない打撃姿勢は良い。 昨年よりもフライを打ち上げることが少なくなり、打撃の確実性は上がってきている。選球眼も良くなり、常に出塁して塁上を賑わせてプレッシャーをかけている。 (守備)  甲子園を見ている全国の高校野球ファンを魅了した守備。とにかく打球に対する反応は実に良い。動き出しのスピードが圧倒的に違う。捕る位置が並みのショートよりも一、二歩前進している。そして捕ってから投げるまでのスピードは素晴らしく、実に素早い。宮内の魅力というのはこの体にして地肩が強いということ。深い位置からでも刺せる地肩の強さは素晴らしい。スローイングの精度は昨年よりも良くなっている。堅実にプレーする意識は芽生えながらも思い切りの良さを失わず、守備の精度をさらに成熟させた。 AAA選手権では中学以来のセカンドを守ったが、ショートより堅実に見えたが、試合前のノックでは軽快なジャンピングスローを魅せてくれた。やはり華やかな内野手だ。  彼は機知に富んだショートでもある。関東大会東海大甲府戦では実に目敏いプレーを見せてくれた。二塁走者は高橋 周平。打者・渡邊が打った打球は宮内の下へ転がった。宮内は捕球し、一塁へ送球と思ったら、フェイントをかけて三塁へ送球。一塁送球を判断して三塁でオーバーランをしていた高橋周平は見事に釣られてタッチアウトとなった。華やかな守備だけではなく、フェイントをかけて相手を騙すずる賢さもある選手で、見ていて楽しさを感じるショートストップだ。  塁間タイムは4.20秒前後。左打者に換算すると3.90秒前後で駆け抜ける俊足である。隙あれば盗塁を仕掛け、仕掛けない時は常にプレッシャーをかけて相手投手のリズムを崩す。どうすれば相手を崩すことが出来るのか。華やかさがある中でも相手を崩すことを忘れない嫌らしさを持った選手に成長を遂げた。
更新日時:2011.09.22

将来の可能性

 走攻守ともに昨年よりも成長した内容を示し、全国屈指のショートに成り上がった。高校生離れした動きが出来るだけではなく、咄嗟に相手を騙すプレーが出来るのも彼の魅力だ。守りだけならプロ級という評価は彼にとって最大限の褒め言葉だ。  進路先は定かではないが、出来るだけレベルの高い環境でプレーしたいと話す宮内和也。東都か東京六大学の2大リーグのどちらかでプレーするのは確実だろう。恐らく進学先では1年春から主力選手としての活躍が期待されていてもおかしくない。4年間でムラがなく、素質を伸ばすことが出来れば、プロの道は切り開かれるだろう。持ち前の華のあるプレーで高校野球ファンを魅了した宮内。次は大学野球のファンを魅了するつもりだ。
更新日時:2011.09.22

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