世代屈指の強肩捕手・堀 柊那捕手(報徳学園)は過去のドラフト上位指名と同素材。その才能を徹底分析
近年、ドラフトで「センス型選手」の評価が上がっている。ヤクルト・
内山 壮真捕手(
星稜出身)、DeNA
松尾 汐恩捕手(
大阪桐蔭出身)が上位指名されているが、その系譜を受け継ぐのが、
報徳学園(兵庫)・堀 柊那捕手(2年)ではないだろうか。高校通算11本塁打の長打力に、スローイングタイム最速1.81秒の強肩を誇る。そして松尾、内山よりも俊足を生かせるという点が大きな強みだ。その堀の魅力に迫っていきたい。
(打撃)
スクエアスタンスでグリップを肩の位置に置いて背筋を伸ばして構えている。ステップは、やや狭めで左足を引いているのが特徴だ。
投手の足が降りたところから始動を仕掛けていき、すり足気味にタイミングを取っていく。元プロの葛城育郎コーチからタイミングの重要性を学んでいるという。大きな反動を使うことなく、小さな動きでステップするのを見ると、その狙いがあるのだろう。
トップでは捕手側方向へ引いていきながら真っ直ぐ振り出していく。振り出しは滑らかで、インサイドアウトで振り抜くことができており、昨春の近畿大会準決勝で本塁打を放ったように、公式戦で魅せることができる。
(守備・走塁)
抜群の強肩が持ち味であるが、決して力任せではない。
1.8秒前後のスローイングを見せるが、捕球時のステップが軽快で、無理のない投げ方ができる。本人が意識しているのは「8割の力で2秒台を切るスローイングができること」だという。フルの力を使わなくても正しい体の使い方で正確なスローイングができれば、長丁場のプロの世界でもその強さを発揮できるだろう。これは大きな武器といえる。キャッチング自体も悪くなく、捕手としての総合力は高い。
セーフティーバントでの一塁到達のタイムは3.86秒と脚力もある。捕手ながら、果敢にセーフティ―バントを決められるのもポイントだ。二塁への盗塁も3.3秒台で高校生としてはハイレベルだ。
スローイング能力に関しては当時の松尾、内山に負けてない。打撃も大きな欠点がなく、脚力も申し分ない。あとは打撃面でどれだけインパクトあるパフォーマンスを披露できるか。木製バットの順応も早そうな無駄のないスイングをしているので、このメカニズムを大事にしながら、遠くへ飛ばせるパワーを身につけたい。打撃のインパクトはまだ松尾、内山に劣るところがあり、出場へ前進している今春のセンバツでトップレベルのパフォーマンスを見せれば、十分、指名圏内に入る。
更新日時:2023.01.06