米田 天翼選手 (市立和歌山)

米田 天翼

球歴:市立和歌山

都道府県:和歌山

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:171.0 cm

体重:71.0 kg

学年:卒業

寸評


 ドラフトファンで最も待ち望んでいる好投手の1人である市立和歌山のエース・米田天翼投手(3年)。最速149キロの速球、高速変化球を武器とする本格派右腕である。  焦点となるのは、前評判通りの出力を発揮してくれるか?その1点のみである。今年のセンバツは気温が低く、3月ということで出力が高い投球はあまり期待できないかもしれない。これまで前評判が高い投手もその傾向があった。    個人的に米田は昨秋見てきた投手の中でNo.1の能力を持った投手だといえる。常時140キロ中盤で、最速は140キロ後半。何より素晴らしいのは、130キロを超える高速スライダーだ。打者の手元で急激に曲がる軌道は初見で対戦する打者にはかなり厄介。さらに120キロ後半のフォーク系統の変化球も低めに集まって、空振りを奪うことができる。  秋季近畿大会や、昨夏の大会のような高出力の投球を発揮すれば、花巻東(岩手)打線相手にも通用するのではないか。大きく評価を高めることができるかもしれない。  また米田の投球が気になったのはテンポが悪くなり、投球内容が単調になる点だ。花巻東打線相手にはそれが命取りになる。慎重になりつつも、受け身にならず、自分の間合いで投球ができるかに尽きる。  ぜひ前評判通りの投球を演じ、名勝負になることを期待したい。
更新日時:2022.03.22

寸評

試合レポートから抜粋 近畿大会開幕戦は市立和歌山神戸学院大附の一戦。この試合の注目は市立和歌山米田 天翼だ。  最速148キロの速球と切れのある変化球を投げ分け、来年のドラフト候補として注目が集まる。その米田の投げ込むボールは前評判通りだ。  常時130キロ後半〜143キロ。手元のスピードガンは、やや遅く出るため、球場によっては145キロオーバーしてもおかしくないボールがいくつかあった。さらに130キロ〜136キロのカットボール、130キロ前半のツーシームと1球1球のボールの精度はドラフト候補。関東でも、これほどの投球ができる投手はそうはいないので、世代でもトップクラスの投手だといえる。  136キロのカットボールを投げた時は、高校2年生でこれほどの高速変化球を投げるのかと面食らった。  ただ、神戸学院大附の各打者のコンタクト力が高く、しっかりとストレートを弾きかえすのだ。5回まで7安打。神戸学院大附は150キロに設定し、速い球を打つ準備をしていたという。それでもトップの立ち遅れがない選手が多く、技術的にしっかりとした選手が多い。  140キロ台の速球と、130キロ前半のカットボール。投げるボール自体は良いのだが、粘られ、見送られるので、コンビネーションになっていない。投げるだけに見えてしまう。9番熊本 和真の犠飛で1点を先制するものの、4回表、9番沖津 泰雅に適時打を浴び、同点を許してしまう。米田は緊張のマウンドだったと振り返る。  「今まで公式戦の中でも一番緊張しました。全然自分のフォームで投げられなくて、だめでした。また勢いよく直球を投げてリズムに乗っていきたい気持ちはあったのですが、結構当てられてしまいましたし、嫌な感じでした」  グラウンド整備が終わり、6回表は2者連続三振を含む三者凡退。この回は最速143キロのストレートとカットボール、スライダーのコンビネーションに連動性があり、変わった予感があった。  そして6回裏、主将の1番・松村 祥吾の勝ち越し三塁打で2対1とした。7回以降から、さらに投球の凄みがましていく。  「この回から緩急をつけるためにカーブを使いました」と語るように、100キロ〜110キロ前後のカーブを使い始め、さらにこの試合最速となる145キロを計測。2三振を奪い、8回にも143キロを2球、9回になっても140キロを計測し、5回まで被安打7、奪三振3だったのに対し、6回からの4イニングは無安打、7奪三振と別人のような投球だった。  「後半は自分本来のストレート、テンポで投げられたと思います」  1失点完投勝利を挙げ、初戦突破を決めた。  今の投球は、ドラフト1位の小園 健太から学んだことが多い。特に武器にしているツーシーム、カットボールは小園から教えてもらったものだ。  「1年生の6、7月の練習試合だったと思うんですけど、打たれてしまった後に小園さんから『小さい変化を投げられたほうがいいよ』ということで、カットボールとツーシームを教わったんです」  3日ほどで覚えられ、そこから体の成長、フォーム技術の成長によってこの夏に最速148キロ。カットボール、ツーシームも130キロ台を超えた。さらにチェンジアップ、カーブも投げられる。174センチ、78キロとやや上背はないが、それが気にならないほどボールの圧力、変化球の精度、気持ちの強さがある。  米田はこんな思いがある。 「去年は小園さんがセンバツに導く投球を見せましたが、今度は米田が導いた。そんな投球を準々決勝でしたいです」  果たして準々決勝でもエースと呼べる投球を見せることができるか。
更新日時:2022.03.22

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