西 純矢選手 (創志学園)

西 純矢

球歴:創志学園

都道府県:岡山

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:184.0 cm

体重:87.0 kg

学年:卒業

短評

 2001年生まれの投手はすでに高校2年生ながら、公式戦で150キロを投げた投手が4人いる。佐々木 朗希大船渡)、及川 雅貴(横浜)、奥川恭伸星稜)、西純矢創志学園)だ。この4人の中で総合力ならばナンバーワンといえるのが西ではないだろうか。そんな西のピッチングスタイルに迫る。 ストレート 141キロ ~149キロ(岡山大会のマックス150キロ) 縦横のスライダー 120キロ後半~130キロ中盤 カーブ 110キロ~120キロ前後  強い腕の振りから繰り出すストレートの威力は素晴らしく、回転数も高い。コーナーギリギリに決まるストレートは、スカウトを驚嘆させた吉田輝星金足農)に引けを取らないレベルにある。西は投球フォームを見ると実にゆったりとしており、テークバックから一気に加速期に入るフォームは躍動感があり、創成館打線がタイミングを取れていない。それが快投につながった。  そのストレート以上に素晴らしいのが、縦に落ちるスライダー。ストレートと同じ腕の振りで投げ込み、強烈な変化を描くスライダーはプロの投手が決め球として投げるスラッターのような変化球だ。このスライダーは岡山大会の時から威力を発揮していたが、コンタクト能力が高い創成館の打者が全く太刀打ちができなかったのだから、相当な切れ味があることがうかがえる。  またカーブはストレートと同じ腕の振りで投げることができるので、効力も大きい。  大きなガッツポーズをするなど、感情表現が豊かな投手だが、投げている投球を見ると実に冷静。気持ちは熱く、頭は冷静に。そんな投球である。  なぜナンバーワンといえるか。欠点のつけようがないピッチングなのだ。どうしても変化球が甘い、高めに浮く、投球の攻めが甘いなどいろいろ課題が見える。及川、佐々木、奥川はそこが見え隠れするのだが、西にはそれがない。だからといって、まだ奥行きがある。本当に素晴らしい逸材である。 (投球フォーム) ワインドアップから始動する。このゆったりとした始動が、フォームの脱力を生んでいる。  左足を回しこむように上げていきながら右足の膝を適度に伸ばしてバランスよく立つ。左足を二塁方向へ送り込んでいきながら重心を下げていく。左腕のグラブを斜めに伸ばしていきながら、開きを抑えていき、左胸にしっかりと抱え今Dネイル。  テークバックを見ると、内回りの旋回ができており、胸郭をうまく使い、大きく胸を張ってトップを作る。そこから上半身の加速期と左足の力強い踏み出しがうまく連動しており、鋭い体の回転を生み出す。力強さがあるが、適度に脱力ができており、それがタイミングの取りにくさにつながる。  今は意図通りの投球ができているのだからいじる必要はないだろう。体作りを行う過程でバランスも変わってくるはず。そういう中で、自分のバランスにあったフォームにすることができるか。
更新日時:2018.08.09

将来の可能性

 投球の完成度の高さは今年の高校2年生どころか、3年生を混ぜてもトップクラスではないだろうか。常にギアが上がった投球だったが、それが隙のないピッチングにつながった。それでも最後まで球威が落ちないのは、効率的な体の使い方ができているから。そういう意味では、前田健太(ドジャース)タイプの投手ではないだろうか。前田もプロに入ってからスライダーを武器にした投手だ。  このままいけば、150キロを超えることが多くなることが予想されるが、西はピッチングの奥深さを追求してほしい。こんな攻め方ができるんだ、こんな投球術ができるんだと。ハイレベルな投球術を追求し、2019年の高校生を代表する右腕でありつづけてほしい。
更新日時:2018.08.09

短評

 この夏の岡山大会で最速150キロまで球速を伸ばし、甲子園出場を決めた右腕。1年生の時は悔しい負けが続いていたが、この1年になって、勝てる総合力が高い2年生右腕へ成長。スピード能力、変化球の精度、フォーム技術、メンタルの強さとすべてハイレベルで、彼よりも速いストレートを投げる佐々木 朗希大船渡)、及川 雅貴(横浜)がいるが、投手としての総合力は彼がナンバーワンではないだろうか。  岡山大会のピッチングを振り返ると、三振に打ち取るたびに雄たけびを上げるなど、気合が入ったピッチング。これほどシャウトしながらも投球は実に冷静。いわゆる気持ちは熱く、頭は冷静にという言葉がぴったりな投球であった。    さて今年の甲子園では評判通りのピッチングを見せることができるか注目したい。
更新日時:2018.08.09

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