井上 広輝選手 (日大三)
寸評
2019年度の高校生を代表する右腕の1人である井上広輝。甲子園で最速150キロをマークしただけではなく、2試合で好投を見せ、さらに12月末のキューバ遠征では5回2失点11奪三振の快投を見せ、そのレベルは世界のU-18世代でもトップレベルといえるピッチャーではないだろうか。 (投球内容) ストレート 常時140キロ~146キロ 甲子園でマックス150キロ 登板時では常に140キロ台を計測。回転数はほかの140キロ台のストレートを投げる投手と比較しても高く、空振りが奪えるストレート。ストレートに強いキューバ相手にも三振を奪うことできる。調子が悪くても平均球速は140キロ台を超える。さらに状態を高めていけば、平均球速は145キロ前後まで速くなる可能性は秘めているのではないだろうか。このまましっかりと体を作っていけば、最速151キロ~3きろまで速くなる可能性を秘めている。 スライダー 125キロ前後 横に曲がるスライダーでカウントも取れて、空振りも奪える。高校生としてはハイレベル。捻って投げる球種なので、あまり多投しすぎず、慎重に投げてほしい。 チェンジアップ 120キロ前後 井上が投げる変化球の中でもっともよい変化球がチェンジアップ。打者の手元でブレーキして、シンカーの軌道で落ちていく軌道は左の強打者でも空振りを奪える球種だ。 そのほかにも120キロ台のフォーク、100キロ台のカーブを投げたりして、目先を変えたりしたりしている。速球投手としてはコマンド能力は高く、指先の感覚が良いので、ボールを抜くのがうまく、緩急をつけるのがうまい投手。あとはすべて140キロ後半とまではいかなくても、9回になっても、140キロ後半を投げられるまでのスタミナや投球術を身に着けていきたいところだろう。 (投球フォーム) ノーワインドアップから始動し、左足をゆったりと胸元の近くまで引き上げる。右足の膝を適度に曲げてバランスよくたつことができる。左足を遊撃方向まで伸ばしていきながら重心を下げていきながら、左足の膝をロッキングさせて着地を行う。テークバックの動きを見ていくと、内回りで右ひじをぐっと上げる形だ。無理に右ひじを挙げていくと、張りやすい投手。日大三の首脳陣もそれに気を付けて投球制限しているように感じる。そこから頭を下げてリリースに入るが、内回りの腕の振りで打者に近いところで離すことができており、球持ちは良く、回転数が高いストレートを投げる要因となっている。踏み出し脚の左足はしっかりと体重が乗ってフィニッシュを終えることができており、躍動感溢れ、速球を投げられるフォームとなっている。 ただエネルギーをかなり使うフォームであるので、アフターケアにはしっかりと気を使ってほしい投手だ。
更新日時:2019.01.01
将来の可能性
現状はストレート主体。完投することが少ないが、高校を終えてから一気に成長期を迎えてほしい投手なので重大な故障をせず、最後の夏まで過ごしてほしい。日大三の首脳陣は井上の将来性をしっかりと考えて起用しているので、心配をしていない。 それでも井上はレベルアップと完投ができる投手になるために、精力的にトレーニングをして、日に日に体が大きくなっている様子は伝わる。与えられた登板機会で圧倒的なピッチングを見せるだけでいい。 それだけで多くの人間を魅了させるポテンシャルが井上広輝には備わっている。
更新日時:2019.01.01
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