林 優樹選手 (近江)

林 優樹

球歴:近江

都道府県:滋賀

ポジション:投手

投打:左 / 左

身長:172.0 cm

体重:62.0 kg

学年:卒業

寸評

 2019年度の高校生左腕で技巧派という分類で見れば一番といえるのが林だろう。細身の体型ながら130キロ前後の速球と落差が鋭いチェンジアップを武器にする。スカウトからもプロに行く素材というより一人の投手として評価されていた左腕である。 (投球内容) ストレートは常時125キロ~130キロ前半で決して速くないのだが、とにかく指先の感覚がよく、力むことなく、内外角にストライクを投げ分けることができるのが最大の強み。アマチュア野球を見ていると、良いフォームで良いボールを投げるのに、ストライクを入れることに汲々している投手と比べると指先感覚の良さはまさに天性もの。  変化球は115キロ前後のスライダー、110キロ前後のチェンジアップを投げる。決め球となっているのはチェンジアップ。打者の手元で大きく落ちるもので、さらに捕手からボールを受け取ってから投球動作に入るまで6秒前後というテンポの速さ。正捕手の有馬諒の好リードもあって、抑えることで自信をつけた林は自分の間合いで投球を組み立てていった。  甲子園では全く敵なしのピッチングだったが、まだ外側の高めのボールが弱いので、それをフルスイングされてしまうと長打にされてしまう傾向がある。そこで受身にならず粘り強いピッチングができるか。 (投球フォーム) 投球フォームもゆっくりした動きと加速した動きをうまく織り交ぜたフォームで、肉眼で見ると、一連の動きが速く、タイミングがつかみにくい印象を受ける投手だ。 ノーワインドアップから始動し、右足を大きく引いてから勢いよく右足を頭上の近くまで上げていく。左足の膝を適度に伸ばしてバランスよくたつ。そこから右足を二塁方向へ送り込んで、重心を深く下げて着地を行う。ここまでの動きを見て分かるのは、歩幅も広く、下半身と股関節の柔軟性が優れた投手であるということだ。  インステップ気味に踏み込んだ林は右腕のグラブを斜めに伸ばしていくが、右肩のグラブが解けるタイミングというのは他の投手に早いと思う。内回りのテークバックをしてから、トップを作り、リリースする位置を見ると頭が突っ込み気味。セオリーから外れているように見えるが、彼は重心と頭の位置を低くすることができるので、ボールは前で離せており、球もち自体はよく、球速以上の勢いを与えている。  彼のフォームからはいろいろ学べるものがある。
更新日時:2019.01.01

将来の可能性

 高校生の技巧派左腕という視点で見れば完成の域に入っている投手。今のメカニズム、リズミカルなピッチングを続けていけば、高校の時点ではそう簡単に打たれない投手であるということ。ただ大学・社会人で活躍するには、球速・球威は足りないことを実感するはず。そういうところを求めると、肉体面の強化、成長の段階に入っていくが、彼の最大の長所である身体操作性を失うことなく、ピッチングのレベルを高めることができるか。
更新日時:2019.01.01

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