主島 大虎選手 (報徳学園)
短評
観戦レポートより抜粋(2014年5月4日) 報徳学園の先発マウンドに上がったのは、1年生の主島大虎。永田裕治監督がかねてから、「(県大会で)投げさせたい」と話していた期待の左腕だ。 初戦(尼崎小田)はエースの中村誠報徳(3年)が、3回戦(明石商)では田中和馬(3年)が完投して出番がなかったが、実はいずれの試合も途中で「主島に代えようか」も大角健二部長と話し合っていたそうである。ただし、試合展開もあり、デビューのタイミングは慎重だった。 そしてこの日、満を持して先発に起用されたのである。 「朝の練習の時に先発を告げられました。3年生でも試合に出れない人達がいるので、1年生らしく思い切って、3年生のために投げようと思いました」とマウンドに立った気持ちを話した主島。 1回、社の1番荻野翔太郎(3年)にレフト前へと運ばれる。続く2番麻生一誠(3年)送りバントを二塁へ投げてフィルダースチョイスにしてしまった。さすがに公式戦初登板。気持ちをリラックスさせようと、何度も深呼吸をした主島。バックの守備陣、それにベンチも、「思い切って投げろ」と声をかけた。 3番辰己涼介(3年)の送りバントでようやく最初のアウトを取った1年生。「焦りはあった」(主島)が、これで気持ちを切り替えた。「1点を取られてもいいから、思い切って投げよう」。 すると、4番坂本雄祐(3年)に対した時、179センチ72キロの体が一段と大きく見えるようになった。 坂本に1ボール2ストライクとした後の5球目は、内角の直球。これで坂本のバットを詰まらせると、打球はセカンドライナー。飛び出していた三塁走者を見たセカンドの石垣昭太(3年)が、三塁へ投じてダブルプレー。デビューのマウンドを無失点でベンチに戻った。 「永田先生(監督)からは、ナイスピッチングと言ってもらいました」と笑顔を見せた1年生左腕。その裏に2点を先制してもらい、2回にさらに2点を追加してもらって、楽に投げることができた。 結局、「80球がメドだった」と永田監督が考えていた投球数に達した7回で降板したが、6安打1失点と見事なデビューとなった。 「練習試合でも3イニングが最長でした。上出来ですね。彼は度胸が良いですし、1年生のピッチャーで(県大会を)投げさせたのは田村伊知郎(現・立教大)以来です」と目を細めた指揮官。 それでも主島自身は「60点。球が走ってなくて、厳しいコースを突けずに、甘くなった球があった」と厳しい採点をした。
更新日時:2014.05.05