牧野 慎也選手 (創成館)
寸評
選抜の駒大苫小牧戦(2014年03月22日)では、3番・遊撃手として出場。しかし4打数0安打に終わり、充分にその能力を発揮することができなかった。新チーム結成以来の33試合で35打点をあげるなど、中軸として勝負強い打撃が売り。 (第一印象) 身体能力・ヘッドスピードの鋭さから見ても、結果は出なくても持っている資質の高さを感じます。もう少し、別の試合を見てみたいと思わせる選手でした。 (守備・走塁面) 一塁までの塁間は、右打者ながら4.25秒前後。これを左打者に換算すると、4.0秒前後とかなりの脚力。新チーム結成以来の33試合でチーム2位の17盗塁を決めるなど、実戦でも動ける脚力を持っています。 遊撃手としてのフットワーク・キャッチングなどもまずまずで、地肩も基準以上のものがありそう。秋の33試合で失策は僅か3個と、遊撃手としては高い安定感を誇ります。 (打撃内容) 駒大苫小牧戦では、セカンドゴロ・センターフライ・センターフライ・サードゴロと強烈なヘッドスピードは光ましたが、イマイチボールを捉え切れなかった印象があります。 <構え> ☆☆☆☆ スクエアスタンスで両足を揃え、グリップを高めに添えます。腰の据わり具合・全体のバランスなど悪くありませんが、両目で前を見据える姿勢は並ぐらい。特に打席では、もう少し柔らかさが出てくると好いのにと思います。 <始動> 遅め 投手の重心が下がりきって、前に移動する段階で始動する「遅めの始動」を採用。ボールを出来るだけ引きつけてから叩くスタイルで、長距離打者か生粋の二番打者が多く採用します。彼のプレースタイルからすると、後者のタイプではないのでしょうか。 <下半身> ☆☆☆ 始動~着地までの「間」はあまりないので、いろいろな球に対応しようというよりも、狙い球を絞って逃さないことが求められます。足を軽く浮かしまわしこみ、少しベース側にインステップ。外の球を意識したスタイルですが、少し内角が窮屈に感じます。踏み込んだ足元はブレない ので、外角や低めの球に対しても「開き」を我慢して喰らいつくことができます。 <上半身> ☆☆☆ しっかり打撃の準備である「トップ」を作れないまま、中途半端に振り出してしまいます。バットの振り出し自体も、少し体から離れて遠回り。それでもバットの先端であるヘッドを立てるようにして、ドアスイングになるのを防ぎます。 <軸> ☆☆☆ 足の上げ下げは静かなので、目線はそれほど大きくは動きません。体の開きも我慢出来ていますし、軸足も大きくは崩れません。
更新日時:2014.04.13
将来の可能性
守備・走塁などに優れ、持っている資質の高さは感じます。しかし根本的に、脆い部分があり対応力が課題。その辺は、上記で触れたように様々な課題があります。こういったものを少しずつ改善させて、確実性を増したいところ。個人的には足を回しこむタイプだけに、少し始動を早めて、動作に余裕を持たせた方が好いのでは?その間にきっちりした「トップ」を作ってから、振り出す意識を徹底させた方が好いのではないかと思いました。上手く導けば、非常に可能性を秘めた選手ではないかと期待します。
更新日時:2014.04.13