岸田 行倫選手 (報徳学園)
寸評
選抜の沖縄尚学戦(2014年03月23日)では、4番・捕手として出場。しかし5回途中に捕手からマウンドにあがると、その後4回1/3イニングを僅か1安打に抑えこむ快投。全国に、強烈なインパクトを残した。 (第一印象) 交代してすぐに、内角を強気に攻める度胸とコントロールに驚かされました。 野手が地肩に頼って投げてるとかそういった荒々しさはなく、投球も実に投手らしい内容。 (投球内容) セットポジションから、130~130キロ台後半ぐらいまでの球速ですが、ボールに力がありコントロールも安定しています。変化球も小さく横滑りするスライダー、ブレーキの効いたカーブ、何よりタイミングが外されるチェンジアップの威力が抜群。クィックなども1.2秒を切るように、マウンド仕草も投手のそれになっていました。特にボールが、コーナーに散るのが彼の良さでしょう。 <長所> 腕をしっかり振れるので、速球と変化球の見極めは困難。ボールにも適度に体重を乗せられるので、打者の手元まで力のあるボールが投げられます。 お尻を一塁側に落とせるので、腕の送り出しにも無理がありません。腕の振り下ろしにも無理がなく、肩・肘を痛め難い投げ方。 グラブを最後まで内に抱えられており、両サイドの投げ分けは安定。「球持ち」もよく、指先まで力を伝えられコントロールの狂いが少ないフォーム。 <課題> 足の甲での地面への押し付けが浅く、ストレートが高めに抜けやすい傾向にあります。 体重を乗せきる前に膝を折って重心を沈ませてしまうので、まだまだ体を活かしてボールを投げられていません。クィックでないときは、膝にしっかり体重を乗せてから投げられるようになると、もっと球威・球速が増すのではないのでしょうか。
更新日時:2014.04.21
将来の可能性
捕手としてのセンスも好いですし、4番を打つだけに打力もあるのでしょう。しかし投手としてこれだけの資質があるのならば、今後は投手としての才能を活かしたら、どのぐらいの選手になるのだろうという期待は抱きます。大学などに進んで野球を続けて行ける力があるだけに、今後の方向性が大いに気になります。
更新日時:2014.04.21