翁田 勝基選手 (西脇工)
寸評
セットポジションから足を大きく引き上げて、少し前に倒れ込むような感じで重心を落としてゆくフォーム。甲子園の石見智翠館戦では、9回を7安打1失点で見事完投勝利致しました。 (第一印象) ボールに伸びはないのですが、球威のある力強いボールを高めに、落差のあるフォークを低めに投げ分ける、高低を武器にする高校生では珍しいタイプ。 (投球内容) 常時135~140キロぐらいのストレートに、スライダーでカウントを整え、フォークで空振りを誘うというピッチングスタイル。ストレートが高めに集まりやすく、それでいて空振りを誘えない球質なのは気になります。このストレートがもっと伸びて来ると、高めでも空振りを誘えますし、フォークも効果的に活かせるのではないのでしょうか。牽制もまずまずで、クィックも0.9秒台で高速。野球センスに優れているというよりは、馬力もあり肉体の資質に優れたタイプ。 <長所> 腕を強く振れるので、速球と変化球の見極めは難しいはず。あとはそれを活かすために、ストレートの球質の向上と開きの早いフォームを修正できるかでしょう。少し前足が突っ張って体重移動を阻害しているようにも見えますが、ボールへの体重乗せは良く、打者の手元で球威は落ちません。 <課題> グラブを最後まで内に抱えられず、両サイドの投げ分けはアバウト。足の甲の地面への押し付けも浮いてしまいがちで、重心が高いのでボールも上吊ります。 体の「開き」が早く、ボールが見やすいことに。「開き」が早いと球筋をいち早く読まれてしまい、コースを突いても踏み込まれたり、球種を見破られやすいので空振りが誘えません。
更新日時:2013.10.05
将来の可能性
馬力のある選手ですし、このまま順調に精進すれば、将来はストレートで押せるだけの勢いとフォークで空振りを奪える投球が期待できます。中間球のスライダーの重要さを忘れなければ、かなり将来は有望ではないかと思います。あとは、「開き」の早さと球の伸びを意識して取り組めるかでしょうか。今後も、その成長ぶりを追ってみたいと思わせる選手でした。
更新日時:2013.10.05