横田 慎太郎選手 (鹿児島実)

寸評

　ロッテで活躍した横田真之（まさし）氏の息子。184センチの長身、長打力を見ると俊足巧打のプレースタイルで活躍した父とは対照的に見えるが、バットコントロールも巧みで、184センチながら、塁間4秒00で駆け抜ける俊足で父の優れたところを引き継いでいる選手であるのだ。昨夏の鹿児島大会決勝戦では柿澤 貴裕から本塁打、左中間を破る二塁打をマーク。鹿児島から九州地区を代表するスラッガーになるか。 （打撃） 　 　打球の角度を見るとライナー性の打球が多く、生粋の長距離打者ではない。腕の使い方が上手い選手で、リーチの長さで、腕が伸びた外角をしっかりと捉え、さらに内角も左肘を畳んで、柿澤の内角直球を捉え、弾丸ライナーを撃ちこむなど、巧さが光るプレーヤー。打撃技術の巧さは父譲りかもしれない。 　スタンスはスクエアスタンス。グリップの位置は肩の位置に置いて背筋を伸ばしてピシっと構えることができている。投手を両目で見据えており、力みのない良い構え方をしていて、筋の良さを感じる構え方である。投手の足が降りたところから始動を仕掛けていき、小さく足を上げてインステップ気味に踏み込んでいく。始動の仕掛けは遅く、ギリギリまで引きつけてボールを叩くことができている。トップの動きを見ると捕手側方向までしっかりと引いていき、振り出す。インパクトまで無駄がなく、ボールを正面で捉えている。この時に体が浮き上がったりするのが残念。 　スラッガータイプを目指すであれば、もう少しボールの下を捉え、フォロスルーも大きく取っていき、打球の角度は上がって、本塁打も量産する選手であろう。 　課題は左投手のスライダーの対応。この時、上半身が我慢出来ておらず、体が突っ込んだ状態で、振っている。スライダーを我慢して、左中間へ撃ちぬくイメージが出来上がると良い。 （守備・走塁） 　一塁手の動きを見ていると、卒無く動く事ができており、一塁手としての守備は悪くない。秋では外野手・投手を兼任していると聞いており、外野手として守れるレベルに達すると楽しみ。 　塁間タイムはセカンドゴロで4秒00を計測。基準である4秒20に達しており、脚力は中々のレベルである。二塁打のタイムは7秒97も悪くない。

将来の可能性

　打者としてはバットコントロールの巧さだけではなく、集中力の高さも感じ、高校2年の時点では頭ひとつ抜けているレベル。夏までは一塁手だったが、今後は外野手として勝負し、付加価値を高めていくべきだろう。俊足巧打を売りとするプレーヤーになっていきそうだが、もっと打撃スタイルは遠くへ飛ばすことを追求していっていいかもしれない。 　間違いなく2013年度の鹿児島県を代表するプレーヤーだろう。ドラフト候補に浮上する活躍をぜひ見せてほしい。