佐々木 隆貴選手 (花巻東)

寸評

　旧チームから、マスクを任されていた強肩捕手。バラエティにとんだ投手陣を支える、チームの要的存在だ。特に強くボールを返し、ガンガンを投手を引っ張ってプレースタイル。 （第一印象） 　常にランナーを威嚇するように返球を加えるなど、自分の肩をアピールするスタイル。ただその反面、スローイングが雑で、プレー全体に粗さが目立ちます。 （ディフェンス面） 　強肩が自慢なのでしょうが、意外に送球を乱したり、しっかり形を整えてからスローイングしないので、球筋が安定しません。また結構動き回る捕手なので、フットワークは機敏な反面、投手は落ち着いて投げにくいかもしれません。それでもミットをしっかり示し、グラブは下に下げません。全身でワンバウンド処理をできますし、一球一球の押し込みは、しっかりしたものがあります。もう少し地に足の着いたプレーを、日頃から心がけたいですね。 （打撃内容） 　軽くクローズ気味に構え、少しバランスの悪い構えです。始動は遅めで、ボールを引きつけて叩く強打者スタイル。意外性の一発を秘めた打撃が、自慢なのではないのでしょうか。 ＜長所＞ 　真っ直ぐ踏み込んだ足元は、インパクトの際にブレません。そのため体の開きを我慢して、外角の球でもキッチリ対応できるはず。また頭の位置は安定し、軸足も安定しています。バットの振り出しも、スイング軌道にも大きな癖がなく、最後までシッカリ振り抜けています。 ＜課題＞ 　始動が遅い分、打てるタイミングは限られます。そのため狙い球を絞って、それを逃さない「鋭さ」が求められます。どうしてもこういった打撃は、なかなか対応力が伴わないことが多く、これでも打てるのは極限られた特殊な選手に限ります。

将来の可能性

　攻守に粗い印象は否めません。もう少し足元を見つめ、基本を大事にして欲しいところ。これだと大事な試合でポカをして、それが命取りなりかねません。強肩・好守の捕手としてのポテンシャルは感じますが、あとは大胆でも抑えるポイントはしっかり抑えたプレーができるかですね。その辺のさじ加減こそ、野球選手としてのセンスが問われるところ。最後の夏にどんなプレーを魅せてくれるのか、密かに期待して見守りたいとおもいます。