井澤 凌一朗選手 (龍谷大平安)
寸評
甲子園では高橋 大樹以上の長打力を披露した井澤 凌一朗。昨年から走攻守で目立っていた選手で、しっかりと長打力を伸ばしてきた。まだ粗削りだが、駆け引きを覚えていけば、活躍出来る可能性を持った選手だ。 打撃) 従来の一番打者とは異なる強打型・核弾頭。低めの球をスタンドイン出来る技術があり、なりふり構わず振りに行く姿勢があり、それが嵌る時と裏目が出る時があり、ムラがあるのが課題といえる。それが京都大会打率.240に現れているのではないだろうか。 スタンスはスクエアスタンス。グリップは頭の上に高々と掲げて構えている。昨年とそれほど変わっていない。投手の足が着地したところから始動を仕掛けていき、足を小さく上げていき真っすぐ踏み込んでいく。トップは深く取っていく。グリップは身体の奥に入っており、インコースの捌きに課題を抱えている点も代わりない。ヘッドを立て、低めの球にはグリップを下げて、アッパースイング気味にボールを捉える。彼の打つポイントである低め・直球は代わりない。 課題としては引っ張りの意識が強く、膝の開きが早くなっており、しっかりとした形で打つことが出来ていない。アッパースイングなので、打ち上げやすいタイプ。また縦の変化球の対応に苦労しており、神原 友の縦の変化球には全く対応できていなかった。上のレベルでは彼ぐらいの投手から打っていかなければドラフト候補として名乗り挙げるのは難しい。今後も縦の変化球を得意とする投手の対処の仕方を追求していってほしい。 (守備・走塁) 一歩目の反応は良く、守備範囲自体は広い。地肩自体は投手として常時140キロ台を計測するだけあり、かなりの強肩だ。外野守備は高いレベルに到達している。 塁間タイムは4.5秒前後と右打者に換算すると4.2秒前後。7試合で盗塁4と以前よりは走る意欲が出てきた。
更新日時:2012.09.03
将来の可能性
以前よりも長打力を伸ばしてきたが、昨年とそれほど変わった印象は受けない。相手バッテリーの駆け引きでは簡単に打ち取られやすい側面は変わっていないからだ。身体能力は素晴らしいものをもっているだけに、相手投手の傾向を読んで打撃をしていかなければ継続的に結果を残すことはできない。身体能力だけならば申し分ないレベルに達している。それを活かす技術・感性を次のステージで磨き続け、4年後にはドラフト候補として名乗り挙がる選手になることを期待している。
更新日時:2012.09.03
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