池田 隆英選手 (創価)

池田 隆英

球歴:創価

都道府県:東京

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:181.0 cm

体重:77.0 kg

学年:卒業

寸評

この春で、成長ぶりを確認したかのったのは創価の池田 隆英。彼を以前見たのは東都選抜試合。気温が低い12月ながら140キロ台を連発し、大学生含めても最もストレートの勢いがあった投手であった。その時はリリーフとしての登板なので、先発・池田の実力は確かめるべく春季大会に足を運んだ。夏までドラフト候補として追いかけていく価値はある投手であり、速い球を投げる才能において今年の東京都ではNO.1だ。 (西東京随一の速球投手)  右スリークォーターから投げ込む直球は常時140キロ前後を叩きだす。ある試合では140キロ中盤を叩きだすほどだ。私が見た府中東戦ではフォームのバランスがピタッと嵌った時のストレートは掛け値なしに素晴らしいストレートだった。昨年ドラフト候補に挙がっていた投手と比べても劣るモノはないといえる。夏場には更にスピードを上げて、140キロ後半のストレートが計測されるようになってもおかしくない。  フォーム全体のバランスがピタッと嵌って、投げ込む破壊力抜群のストレートは惚れ惚れする。常に投げられるようになったら、どんな投手になっていくか。そんな思いを託して彼を見ている。 (気になるコントロールは?)  多くの人が気になるのはコントロールだろう。まずボールを出し入れするコントロールはない。力を抜けば、構えたところには投げられる。しかし彼はもっと高みを目指している。力を入れたストレートをアウトローギリギリに投げ込むことを主眼に置いている。  府中東戦では彼はアウトローギリギリへ投げられるコントロールを身につけたいので、ひたすらアウトローを投げていたと話してくれた。  中々コントロール出来ず、僅かに外れることが多い。偶にピタッと嵌った時に投げ込む時のアウトローストレートはドラフトクラスだ。  アウトローの制球力に拘る姿勢は悪くないし、小手先に走るよりも今はストレートだけ磨いていても悪くないと思う。 (使える球種はスライダーのみ)  変化球は横滑りするスライダーの1球種のみ。そのスライダーも曲がり始めが早く、実戦的なスライダーとはいえない。ほぼストレートに頼らざるを得ない単調な配球で、打撃レベルが高い打者に相手には苦しむ投球内容。中継ぎとして球の威力の凄みを感じたが、先発として見ると、全体的に制球力、投球の幅の狭さが課題。  変化球をもう1球種習得するか。それともスライダーをひたすら磨いて、絶対的な決め球にするのか。個人的には後者が現実的かもしれない。  彼が良いのは自分の間で投げていられること。ランナー時には間合いを嫌えば、間合いを外して自分のピッチングに専念出来ている点は良い。クイックも1.2秒台と標準のクイックは出来ている。 (投球フォーム)  ノーワインドアップから始動する。左足をゆったりと上げていき、右足は真っ直ぐ立つ。左足をホーム方向へ向けて前膝を送り込んで、踵から着地する。上体の強さを生かして投げていくフォームだが、前足の使い方は意識しているように感じた。  左腕のグラブを真っ直ぐ伸ばしていき、左胸に引き込んでいく。以前より開きを抑えることが出来ており、テークバックは身体の近くで内旋していき、出所を隠すことが出来ており、上半身の動きは問題ない。軸足はしっかりと体重を乗せることが出来ており、身体が突っ込まずにロスのない体重移動出来る準備は出来ている。  そしてリリースに入る。スリークォーター気味に腕を振りぬいていくが、リリースする位置をやや低くし、鋭く腕が振れる形にした。角度は低くなったが、前でリリースすることが出来ており、球持ちがぐっと良くなった。力強い腕の振りをしっかりと指先に伝えることが出来るようになり、バックスピンがかかった素晴らしいストレートを投げることが出来るようになった。 最後のフィニッシュ。以前は膝が割れていて、身体が流れることがあったが、府中東戦では踏み込み足がしっかりと接地し、身体が流れずに重心移動が安定するようになった。投球フォームは実戦的なモノに即しており、完成度は増してきている。
更新日時:2012.04.18

将来の可能性

 馬力で押す投手という印象は変わっていない。大事な場面でまとめるピッチングが出来るかというとそうでもなく、2回戦、3回戦では後半に失点をしているので、短いイニングでは力で圧倒出来るが、長いイニングでは球種の少なさ、攻めの幅の狭さを実感し、苦しいピッチングになってしまう投手だ。最後の夏では決め手となる変化球を習得していき、武器になっていくと速球が活きる。押すピッチングも大事だが、もう少し交わすピッチングを覚えることも大事だ。押して引いてのさじ加減が上手い投手が最後まで生き残っていくのだ。  ポテンシャルという点では今年の西東京では随一のものもあるし、プロを狙える才能を持った投手だ。未完成だが、変化球習得含め、彼を大きくしたい球団は手を上げるべき投手だが、個人的には大学・社会人を経由して投手としての総合力を高めてからプロ入りを狙っても遅くはないと考える。  プロ入り云々よりも最後の夏に甲子園出場することに頭が向いているだろう。ぜひ夏の主役となるべく春よりも一回りもパワーアップしたピッチングを見せて、自慢の速球で唸らせるピッチャーになることを期待したい。
更新日時:2012.04.18

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です