小野 耀平選手 (智辯学園)

小野 耀平

球歴:智辯学園

都道府県:奈良

ポジション:外野手, 投手

投打:右 / 右

身長:178.0 cm

体重:75.0 kg

学年:卒業

寸評

青山 大紀に対抗心を燃やしてきた小野 耀平は負傷で登板出来ない青山の代役として近畿大会優勝に貢献。青山に頼らなくても勝てる!ことをアピールした近畿大会。そして神宮大会優勝を目指して臨んだ神宮大会であったが、終盤に打ち込まれて逆転負けを喫した。その投球は夏の甲子園の投球からあまり変わっていない。 (投球スタイル) 彼の腕の振りの軌道は外回り。そしてステップ幅が狭く、まさに荒削りな投球フォーム。やはりあの外回りの軌道、リストワークによって、抜群の切れのあるスライダーが活きていると考えたほうがいいのか。 シーズン終わりということもあって、ストレートのスピードは常時130キロ中盤~138キロを計測。春になって球速は右肩上がりに上がっていくのかは疑問だ。こういう荒削りなフォームで、ストレートのスピードに拘ると故障のリスクが高まるのではないかという不安もある。武器は130キロ前後の横滑りするスライダー。確かにあのスライダーの切れは本物だ。今年神宮大会で出場した右投手ではNO.1のスライダーのキレ味だ。  しかし結果として根本であるストレートのコントロールの甘さは解消することは出来ていないのではないだろうか。 この試合(2011年11月25日 智弁学園対鳥取城北) 2011年11月25日 智弁学園対鳥取城北を振り返っていくと前半はストレート、スライダーを外角中心に集めていくコンビネーション。スライダーの切れが勝り、鳥取城北打線を抑えこむことが出来ている。彼のスライダーは打力が低い高校生で捉えることは難しいからだ。 そして8回の表である。無死満塁になってからの投球はそれまでの緊張の糸が切れたような投球であった。ストレートが高めに上ずり、武器であるスライダーもベルトよりに集まる、次々と振り抜かれていき、5失点を喫し、悔しい途中降板となった。 選手権、神宮大会を通して彼はストレート、スライダーのコンビネーションのみ。選手権では縦の変化球も投げていたが、全く投げず、狙い球が2つだけならば打者にとっては絞りやすい。いくらスライダーを自信に持っているとはいえ、鳥取城北の打線は切れが甘くなったスライダーを見逃さなかった。  課題としてはストレートのコントロールを磨き、インコースを有効的に使う。そしてストレートとスライダー以外の変化球を磨き、引き出しを増也していくことだろう。今のままでは手札が少なくて、全国で抑えるにはまだまだ厳しい。 (投球フォーム) 選手権同様、ステップ幅は狭く、上体を回旋して投げる投球フォーム。個人的にはお勧め出来るフォームではないのだが、プロの投手を見渡しても、全員が教科書に載ってあるような綺麗なフォームをしているわけではなく、注文を付けられるような汚いフォームで勝負している投手はいる。本人にとって投げやすい形で終わってはいけない。その投球フォームを土台として打者を抑えていく投球を組み立てていかなければならない。 小野耀平の今のフォームは切れのあるストレートを投げる上では弊害になっているのではないだろうか。ストレートに拘り始めた彼だが、それまでスライダーに自信を持っていたということもあって、スライダーを投げるフォームになっているのだろう。今のフォームから切れのある140キロ台のストレートをコントロール良く投げるには結構難しい。指摘すれば簡単だが、高校野球に身を置いて2年経って、今のフォームなのだから簡単に矯正出来るものではないのだろう。彼の努力で、ストレートの切れ、コントロールを高めるフォーム作りをしていかなければならないだろう。
更新日時:2011.12.17

将来の可能性

 甲子園では早期降板であったが、神宮大会では8回途中まで見ることが出来て、彼の能力・癖について把握出来た。今のままでは全国制覇は厳しい。青山に頼らないために実力を磨いてきたが、ストレートのキレ、コントロール、投球術と課題を残す。今のレベルから上積みを見せるには投球フォームなどを見つめ直し、自分の形を作り上げることが重要ではないだろうか。今の形のままでは急成長を見せることは難しいと判断する。  今回は厳しい論調になったが、全国制覇するためには彼の存在が不可欠であり、一試合任せられるぐらいの安定感・完成度がなければ成し遂げるのは極めて難しい。その自覚は強く感じているはず。ひと冬超えて一変した姿を見せることを期待したい。
更新日時:2011.12.17

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