小野 耀平選手 (智辯学園)

小野 耀平

球歴:智辯学園

都道府県:奈良

ポジション:外野手, 投手

投打:右 / 右

身長:178.0 cm

体重:75.0 kg

学年:卒業

寸評

「甲子園の忘れ物を取り返すために」 青山 大紀と二枚看板を組んでいる本格派右腕。奈良大会では14イニング2失点22奪三振と素晴らしい成績を上げて、その自信を持って甲子園に臨んだが、全国レベルの作新学院に3回5失点と悔しい甲子園デビューに終わった。その後は秋季大会では故障で離脱する青山の代役としてマウンドに登り、近畿大会決勝進出に貢献。決勝では本塁打を打ち、初の近畿大会優勝を成し遂げた。甲子園の忘れ物を取り返すためにこの男は大きくなろうとしている。 (投球スタイル) ストレート 141キロ 常時130キロ前半~130キロ後半 スライダー 120キロ前後 フォーク  130キロ前後 力強い腕の振りから投げ込む直球は常時130キロ後半を計測しており、威力を感じさせる。来年には145キロに到達するのではないかと期待を抱きたくなる球威を誇る。変化球は120キロ前後のスライダー、130キロ前後のフォーク。横滑りするスライダーのキレ・コントロールはよく、特にフォークの落差は中々のものがあり、空振りを奪える落差はありそうだ。だが2回以降から見切られ、高めに浮いた直球を狙われて痛打されている。 高校2年の投手として速球のスピード、変化球のキレ、コントロールは高いレベルにあり、順調に伸びていけば来年のドラフト候補として注目するだけのものはありそうだ。 (配球) 基本的に外角中心にストレート。決め球にフォークを軸にして投球を組み立てている。恐らく両サイドへ投げ分ける制球力もありそうだが、ランナーが出てからの安定感を欠ける。恐らく甲子園ほどプレッシャーのかからない奈良大会では何気なく威力のあるストレート、フォークを投げ込んでねじ伏せることができていたはずだろう。だが甲子園準々決勝という大舞台では、彼にはかなりプレッシャーのかかる場面だったか。投球のバランス、フォームのバランスが崩れてしまい投球が成り立っていなかった。 (投球フォーム) 打ちこまれる要因はフォームに原因が考えられるのか? 一つ一つ細かく見ていきたい。 ノーワインドアップから始動する。左足を回しこむように上げていき、右足はしっかりと立つ。捻りを入れていくタイプであり、左ひざの開きを助長しやすい立ち方。ただ次の動作を見ると膝の開きを抑えようとする意図は見えてくる。 左足の膝を右足方向に入れ込んでいき、溜めを作る動作を取る。お尻を落とすことはできており、縦系の変化球を投げる準備を整えている。膝を入れ込むので、膝の開きを抑えようとしている。軸足にしっかりと体重を乗せて、溜めたパワーを活かす狙いが見える。 軸足にスパイクを押さえつけてその反動によって勢いのあるストレートを投げようとするが、頭が突っ込み、すぐにスパイクが離れてしまっているため上体が浮いた形となっている。そのためストレートが高めに浮きやすく130キロ台後半の速球を投げても打撃レベルの高い打者に捉えやすくなってしまう危険がある。 左腕のグラブは斜めに向かって伸ばしていき、左胸に抱え込んでいく。ただ踏み込んだ足がインステップ気味で、体が三塁方向へ流れてしまい、左腰が詰まっている。テークバックは右ひじがしっかりと畳むことができずにボールを離している。体が突っ込み気味で、体が遠ざかる腕の振りになっており、しっかりとボールにスピンをかけることができていない。そのためキレのあるストレートは投げられず、抜け気味のコントロールが目立つ。頭が突っ込んで、遠ざかる腕の振りになってしまうということは故障のリスクも否めない。 最後のフィニッシュでは踏み込んだ足の膝が突っ張ってしまっており、体重移動ができていない。 彼のフォームで気になったのは頭が突っ込んでしまうこと。下半身で溜めを作って勢いのあるストレートを投げる意識が見られるものの、頭の突っ込みにより上半身の正しい動きができずにバランスを崩したフォームになっていること。体の突っ込みを抑えて、上半身と下半身のバランスが取れて、彼が理想とするリリースポイントを見つけることができれば一気に球速・球威を伸ばしていくタイプではないだろうか。
更新日時:2011.11.06

将来の可能性

恐らく甲子園の怖さを十二分に体験したのではないだろうか。初回のリズムの良い投球は見事だったが、2回から勢い付いた作新学院をとめることができなかった。初の甲子園のマウンドということもあるが、投球フォームを見ると課題は多いフォームだ。まずは軸足にしっかりと体重を乗せて、滑らかに体重移動出来るようなフォームにしていくべきだろう。秋季大会の写真を見ると踏み出し足が突っ張って投げているのが気がかりだ。オフではしっかりと体力強化とフォーム修正に取り組んでほしい。  ー夏の甲子園の忘れ物を取り戻すためにー 彼が甲子園のマウンドで躍動する時、智弁学園は初の全国制覇を狙えるだろう。
更新日時:2011.11.06

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