黒崎 諒選手 (東海大望洋)

黒崎 諒

球歴:東海大望洋

都道府県:千葉

ポジション:外野手, 投手

投打:右 / 右

身長:172.0 cm

体重:68.0 kg

学年:卒業

寸評

 数々の好投手を育ててきた東海大望洋。今年は最後の最後で面白い投手が出てきた。黒崎 諒。コンパクトにまとめ鋭く振るオーバーハンドから投げ込む伸びのある直球が武器である。開幕戦に登場し、東邦大付属相手に6イニング9奪三振を奪う投球であった。流経大柏戦では3イニングを投げて5失点と課題を残したが、将来性の高さを感じさせる投球をしていたことは間違いない。 (投球スタイル) ストレート マックス143キロ 常時135キロ~140キロ スライダー チェンジアップ 鋭い腕の振りから投げ込まれるストレートはコンスタントに135キロ前後を計測しており、東邦大附属戦では自己最速の143キロを計測したようだ。指にかかった時は素晴らしい伸びを見せる。ただ高めに浮くのが課題だろう。 変化球はスライダー、チェンジアップ。横に切れるスライダーの切れはそれほどでもなく、カウントを稼ぐ程度のボールで絶対的なキレはない。小さく落ちるチェンジアップも絶対的な変化球ではない。まだ横の変化のみで打者として打ちやすさを感じる。 配球は外角中心で内角へ突くことは少ない。技術的にできないのか、それともバッテリーの配球なのかは定かではないが、彼ほどのストレートを投げる投手ならば内角のストレートは活きるのに勿体なかった。まだ勢い良く直球を投げるだけで間の取り方や、決め球となる変化球がないために投球術の幅の広さがないため、対応力の高いチームにとっては攻略しやすい投手だ。 (クイック・牽制・フィールディング) クイックは1.10秒前後と素早いクイックができている。牽制も上手く、フィールディングの動きも悪くない。さすが好投手を育ててきた東海大望洋の土壌ということもあって細かいところまで指導がいきわたっている。 (投球フォーム) ノーワインドアップから始動する。ゆっくりと左足を上げていき、一本足でしっかりと立つ。左足を二塁方向へ送りこんで、重心を下げていき、軸足に体重を乗せて、着地を図る。お尻はしっかりと落とすことができているが、将来的にはフォークよりもチェンジアップや縦のスライダーを習得したほうが彼のフォームに合っているのかもしれない。 左腕のグラブを真っすぐ伸ばして正対させていく。そのため開き自体が早く、出所が早くなっている。軸足の動きを見るとプレートの押さえ付けが甘く、体を沈み込ませてから上から振り下すフォームなので、低めに集めるのが難しいフォームだ。 テークバックはコンパクト。大きく反動を付けるわけではなく、内旋していくので、肩、肘への負担は少ないだろう。じっくりと力を溜めていき、シャープに腕を振り抜く。リリースするまでの動作が実に柔軟で、鋭く腕が振れる形となっている。リリースまでの間は脱力することが出来ており、リリースで力を入れる感覚は掴みつつある。フィニッシュでは踏み込み足がしっかりと体重が乗り、しっかりと蹴りあげが出来ている。たまにアウトステップになり、ボールが抜ける傾向は技術的には大きな癖はないだろう。 この投手の課題は開きの早さと投球フォームに間がないことが課題。そのため対応力の高い打者に捉えられやすく、流経大柏打線に5失点するのは想定できていたことであった。彼のリズムは「1,2,3」とタイミングが取りやすく、配球が外角中心。流経大柏の選手が「打ち難さを感じませんでした」というコメントが彼のフォームの欠点・投球術の欠点を言い当てていたのではないだろうか。
更新日時:2011.09.30

将来の可能性

 春の東海大望洋を見ていた者からするとまさかこれほどの投手が出現すると思いもよらなかった。まさにエース不在で、この夏勝ち上がっていくのは厳しいと思っていたからだ。 ストレートの球速・伸び・投球以外の技術の高さを見てエースとして抜擢するのも納得させられる。ただ万全の状態で投げることとなんとしても公式戦で投げることが彼にとって最大の目標であったわけで、打者を想定しての実戦的な技術を磨くことはできなかったのではないだろうか。早期敗退してしまったが、彼にとって千葉県屈指の打撃力を誇る流経大柏に負けたのは良い経験になったと思う。 大学で続けていけるレベルにあり、基礎はしっかりしているので、指導力の高い大学に進んで、着実に実力を磨いていけばいずれはプロが狙える投手に成長する可能性は大いにある。最後の夏は上のレベルでも続ける可能性を手に入れた。高校時代はあまり日が当らなくても、大学・社会人で脚光を浴びる存在になっていることを期待している。
更新日時:2011.09.30

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です