山本 翔大選手 (敦賀気比)

山本 翔大

球歴:敦賀気比

都道府県:福井

ポジション:投手

投打:左 / 左

身長:175.0 cm

体重:68.0 kg

学年:卒業

寸評

 今年の6月に行われた北信越大会で躍動感溢れる投球フォームから切れのある速球を投げ込む姿を見て、来年の北信越を代表する左腕になり得る存在であると思っていた。彼はエースとして北信越大会を勝ち抜き、神宮大会に出場した。投球を見ると調子はあまり良くなかったが、しっかりと纏めて8回2失点とまずまずの内容を残した。 (投球内容) 右足を巻き込んで体を回旋させて真っ向から振り下ろす投手だ。 左オーバーから投げ込む直球は常時130キロ~134キロ。速球の切れはまずまず。しかし膝が割れてしまい体重が乗りきらず、軸がぶれたフォームになっているので、コントロールは安定しない。アバウトな制球力は6月から変わっていないといえる。 変化球は120キロ前後のスライダー、100キロ前後のカーブ、120キロ前後のフォークを投げ分けていく。武器はベース手前でぐっと切れこむスライダーで、彼の決め球となっている。 右打者には外角にストレート、スライダー。内角にはスライダーを投げ分ける配球。打者をのけぞらせるクロスファイヤーは少なかった。 左打者には外角中心にストレート、スライダーを投げ分ける配球。左打者にも高めに上ずっており、投球の組み立てが上手く出来ない印象を感じた。 前半はストレートが高めに上ずってしまい、上手く投球を組み立てることができていなかったが、後半になってからストレートの制球力が安定し、カーブを織り交ぜて緩急を活かす配球に切り替えていった。彼の良さというのはピンチになってもしぶとく投げることが出来ること。ここぞという時に勝負していける投手であり、度胸が強いのが彼の強みである。 (クイック・フィールディング) クイックタイムは1.1秒~1.2秒前後と標準に達するクイックが出来ているが、コントロールを乱しており、本当の意味でクイックが上手い投手ではない。牽制は適度に入れていくタイプ。フィールディングの動きも悪くないし、意識も悪くない。ただ敦賀気比の内野手の連携がうまくいっていないのか、内野安打にすることが多かった。 (投球フォーム) 帽子を落とすほどの躍動感溢れる投球フォーム。ただ神宮大会では帽子を落とすことは少なかった。ちょっとおとなしくなった感じがあったかなと思ったら、フォーム全体は相変わらず荒削りである。 ノーワインドアップから入る。右足をまっすぐ上げていき、左足はまっすぐ立ってバランスを保つ。右足を一塁方向へ伸ばしながら少しずつ腰を沈めていきながらインステップ気味に踏み込んでいく。あまりお尻は落ちず、横回転気味になっており、どちらかというと縦変化より横変化向きのフォームであると思うが、カーブを活かすために彼はオーバーハンドから振り抜くスタイルだ。 右腕のグラブを斜めに伸ばしていき、開きを抑えていく。テークバックは左ひじを折りたたむような動作。大きく取ってリリースに入る。 リリースをみると肘が立って投げることができており、球持ち自体は悪くない。そして勢いよくフィニッシュ。軸足で力をためてから強く蹴ってその力で投げている。背筋の強さも感じられるし、173センチの小柄とは思えないほどの勢いのあるフォームをしている。    ただ踏み込んだ足が開いてしまい、力が逃げてしまっている。インステップなので仕方ないかもしれない。上下動の激しいフォームなので、踏み込みがバラバラになるとコントロールを乱しやすいフォームなので、踏み出しから体重移動までロスなくスムーズに投げ終えることが出来るかにかかっているだろう。まだバランスを崩して制球を悪くしてしまっている。
更新日時:2011.12.10

将来の可能性

 北信越大会の投球と比較するとそれほど伸びていないように感じる。上下動の激しい癖のあるフォームなので、バランスを崩すと思うように投球が出来ない不安は感じた。選抜に向けての課題はスピードというか目先の数字に拘るのではなく、しっかりと形を作って、最高の状態で臨むこと。これに尽きると思う。  是非選抜では威力満点のクロスファイヤーで、打者を圧倒するような投球を待ち望んでいる。
更新日時:2011.12.10

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