武田 翔太選手 (宮崎日大)

武田 翔太

球歴:宮崎日大

都道府県:宮崎

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:187.0 cm

体重:77.0 kg

学年:卒業

寸評

 2011年度の高校野球界で、私が知る限り最もスケールが大きな投手 それがこの 武田 翔太 だ。私が確認した昨夏から更に成長し、今やMAXでは150キロを越えると言う豪腕。ただその一方で、昨夏まではただ速い球を投げ込む素材型と言う印象が強かった。果たして最後の夏は、その勇姿を全国の方々に披露できるのか?その課題について考えてみたい。 (投球内容)  長身から繰り出す、力のあるストレートが魅力です。ボールには角度があり、相手のバットを詰まらせるだけの球威があります。どちらかと言うと、手元でグ~ンと伸びたり、ピュッと切れるような空振りを誘うような球ではなく、あくまでも相手を力で詰まらせる剛球タイプ。ただこの投手は、ストライクゾーン~低めのボールゾーンに切れ込むスライダーにキレがあるので、この球で空振りを誘えます。昨夏の時点では、このストレートとスライダーのコンビネーションのみと言った感じでしたが、この一年もの間に、どのぐらい投球の幅が広がったのか注目されます。  けして制球に大きな課題があるようには感じませんでしたが、細かいコースの投げ別けや、間を上手く使うような巧みな投球術など、投手センスに優れたタイプと言う感じは致しません。破綻のない投手としてのまとまりと、圧倒的なパワーで相手を牛耳るのが、この投手のピッチングスタイルでした。 (投球フォーム)  気になるのは、その投球内容以上に投球フォームにあります。お尻をそれほどしっかり一塁側に落とせるタイプではないので、将来的に見分けの難しいカーブや縦に鋭く落ちるような縦の変化球を修得できるのかは微妙です。そのため大きく前にステップして着地までの時間は稼げますが、投球の幅を広げて行けるのかには不安な部分が残ります。  グラブは内にしっかり抱えられていると言うほどではなく、制球も多少アバウト。更に足の甲の押しつけもできているのですが、その時間が非常に短く粘りに欠けます。球持ちもけして好い方ではなかったので、指先の感覚もイマイチであり、細かい制球力には不安が残ります。  実戦力を司る投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」の観点でも、「着地」までの粘りは前に大きくステップさせることで平均的。しかし「球持ち」はそれほどではないので、ボールにバックスピンがかからず手元までの伸びはもう一つ。体の開きも、フォームが打者に向かって挑戦的なので、ボールが見やすい傾向が見られます。前への大きなステップが、体重移動を阻害しボールにグッと体重が乗って行きません。そのため高校生レベルの打者相手ならば力でも圧倒できますが、全国レベルの打力を持つ相手だと、充分に球速があっても対応できそうな球でした。更に球威・球速を増して、それでも力で圧倒するピッチングをしているようですが、何処まで実戦的な術を身につけているのかは気になるところです。
更新日時:2011.06.09

将来の可能性

  速い球を投げられる可能性と言う意味では、将来性も含めて全国屈指の素材だと思います。しかしその速球を活かすだけの制球力・投球術・制球力・実戦的なフォームと言う意味では、まだまだ物足りないものがあったのも確かです。  その辺を改善して行かないと、結局甲子園までは勝ちきれないで終わる、そんな気が致します。ただ今年になって確認しておりませんので、何処までその辺が変わって来ているのか、大いに気になるところですね。ぜひ最後の夏は、その勇姿を観に、宮崎まで足を運びたいと思わせてくれる投手でした。
更新日時:2011.06.09

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