佐藤 拓也選手 (浦和学院)
寸評
投げても1年秋から名門・浦和学院主戦として活躍し、打っては1番打者を任せられる高い野球センスが自慢。しかしこの選抜では、緒戦の鹿児島実業戦において、9安打・7四死球 5失点と、充分に力を発揮することができなかった。そんな悔しい経験をした 佐藤 拓也 の、これからを考えてみたい。 (投球内容) オーソドックスなフォームから繰り出す速球は、常時130~MAX137キロ。まだまだその球速ほどのボールの勢いや球威を感じさせない物足りないものだった。変化球は、カーブ・スライダー・チェンジアップなどを織り交ぜ、特に緩いカーブが投球の大きなアクセントとなっている。基本は、両サイドを丁寧について、打たせて取るピッチングスタイル。しかしこの日は、高めに甘く浮いた球を、全国レベルの強力打線を誇る鹿児島実業は見逃さなかった。 牽制の鋭さやフィールディングの動きを見ていても、ぜひ内野手として育てたいと思わせてくれるものがある。ただボール処理を慌てているあたりに、いかに平常心を保ててていなかったことは、手に取るようにわかった。また元来それほど制球を乱す投手ではない彼が、7四死球。甲子園と言う舞台や全国レベルの相手と言うものが、どのようなものなのか身を持って知ったことだろう。
更新日時:2011.05.04
将来の可能性
ただこの経験は、必ずや今後に生きるはず。将来的に、投手や野手と決めつける段階ではないので、まずは与えられた役割を全うしてもらいたい。そういった中で、一つ一つの経験が、やがて自信につながり相手を見下ろして投げられる確固たるものに変わるもの。失敗をしないで大きくなれた人間など、誰一人いないのだ。何が足りなかったのか?自分自身に問いかけ、それを追求し高めて行くこと。この繰り返しが、やがて結果となって現れてくる。来年の今頃には、逆に新2年生達に、全国の厳しさを思い知らせてやれるぐらいの大きな存在に育っていって欲しい。そうやって、甲子園の歴史は作られてきたのだから。
更新日時:2011.05.04
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