堅田 裕太選手 (関西)

堅田 裕太

球歴:関西

都道府県:岡山

ポジション:投手

投打:左 / 左

身長:175.0 cm

体重:75.0 kg

学年:卒業

寸評

 中国地区屈指の左腕。1年秋からエース格として活躍し、その能力の高さに02年春のエース宮本賢(日本ハム)2世と呼ぶ声が多かった。ただ制球力のある宮本と比べると如何せん制球力の粗さが気になった投手であった。高校生の左腕として頭一つ抜けたものはあるが、制球力を向上し、投球に緻密さがなければ高卒プロは難しいと今年の選抜で評価していた。そしてほぼ完璧な投球で中国大会優勝に貢献し、自信満々で神宮大会に臨んだが、制球が荒れて本来の投球ができなかった。未完の大器はいつ花開くのか。神宮大会から投球を振り返っていきたい。 (投球スタイル) ストレート 常時135キロ~140キロ スライダー 120キロ前後 中国地区屈指の左腕・堅田裕太。昨秋の神宮大会では制球難によりボロボロだったが、それよりも気になったのはクイックの遅さ。ランナーが出てからの技術の低さが俊足揃いの東海大相模の餌食になるのではないかと心配していたが、見事に的中した形となってしまった。持っているものは素晴らしいものがありながらなかなか殻を破ることができず選抜を終えた。 (投球スタイル) ストレート 常時135キロ~140キロ スライダー 120キロ前後 スクリュー 110キロ前後 カーブ    90キロ前後 恐らく1番の渡邊勝に打たれるまでは球の走り自体は悪くなかった。いきなり高めに浮いたスライダーを打ちこまれた後は、自信を失い、高めに浮いた直球を捉えられ、そして打ち取れると思ったインコースの直球を鮮やかに振り抜かれ完全に自分のリズムを取り戻せず降板してしまった。 (クイックタイム・牽制) 昨年指摘した1.4秒~1.5秒前後を記録するクイックの遅さは未だ解消できていない。以前よりランナーへの警戒が高まったが、必要以上に牽制を投げてしまったのが影響したのか、東海大相模の打者があっさりと癖を見抜いて走っていたように感じる。そして徐々にランナーへの警戒をなくし、それほど走力がない選手にまで走られていた。 (投球フォーム) ワインドアップから入る投手。右足を巻き込むように上げていく。以前より真っ直ぐ足を上げるようになりバランスは良くなった。二塁方向に足を送りこんで、インステップしていく。テークバックを大きく取っていく。後ろが大きく、体が開いてしまう。このフォームでは肘を使う意識があっても、どうしても肘が立って投げることができず、球離れが早くなってしまう。球持ちは優れないので、細かな制球力を身につけることはほぼ不可能。この投げ方でコントロールをつけると小手先の投げ方になってしまうので、逆に打たれやすくなってしまう。 この投手のフォームは変則的な投げ方とコントロールの悪い投げ方が顕在している。このフォームから140キロ台中盤の速球を投げ込むことができれば並みの高校生にとっては脅威になるものの、コントロールが定まりにくいので、高校生トップクラスの対応力と選球眼を誇る東海大相模には通用しなかった。この投手は荒削りな分、劇的によくなる可能性は十二分に持っている。確かにやや硬そうな投げ方に見えるが、肘は柔軟に使おうとする意図が見えるし、振りやすい位置を模索し、シャープに腕が振れる位置を見つけることができれば、破壊力のある145キロ前後のストレートを投げられる可能性を持っていると考える。
更新日時:2011.05.09

将来の可能性

未だ全国の舞台では彼本来の投球が出来ていない。中国地区の人に甲子園の投球を見せたら「こんなものではない。もっと良いはずだ」と口にすると思う。本来の投球が出来ないのは精神面の弱さと指摘する見方もある。私は安定しない投球フォームになっているからこそ自身の投球が出来ずに終わっているのではないだろうか思う。安定した活躍を見せる投手というのはポイントがしっかりしているし、大きく崩れることはない。彼の場合は独特の感覚で成り立っているフォームであり、崩れやすい。そしてランナーを置いてからの技術の低さがさらに自分の投球を崩す要因となっている。 技術的にも、精神的にも克服しなければならない課題は多くある。課題を一つずつ克服していき、成長していってほしい。一回り、二回りも成長した姿をマウンド上で披露できた時、初めてプロが狙えるようになるだろう。夏までに期待をしたい。
更新日時:2011.05.09

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